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泣く・涙を流すの表現・描写・類語
絞り込み候補のタグ:赤ん坊・幼児が泣く
両手を床について前かがみになり、まるで吐くような格好で泣いた
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
溢れるまでは涙が目を焼くほどに熱く、頬を伝わる時は総毛立つほど冷たい
永井 龍男 / 一個・秋・その他 amazon
目尻から溢れ出た涙が、耳たぶからポタポタと雨だれのように落ちる
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
溜まりに溜まっていた熱い泉が堅い地を破って、一時に迸って来たように、涙を流す
島崎 藤村 / 藤村パンフレット〈第2輯〉三人 amazon
涙がはらはらと崩れて、光の糸を曳きながら流れる
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
(涙で)海面の中にいるように風景が滲んで見える
高橋 三千綱 / 涙 amazon
(泣く)ゴム毬(まり)を押し潰したような、ぐすっという音とともに肩を波打たせる
里見 トン / 極楽とんぼ―他一篇 amazon
美しい涙の玉をそうっとこのまま結晶させたい
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
女の涙腺は蛇口と同じ
宮部 みゆき / とり残されて amazon
窓枠に肘をついて、こめかみに指先をじっと押しつけていた。彼女はまるで眠りこんでしまったみたいに静かに瞼を閉じていた。時々まつげが微かに上下に動き、唇が小さく震えるだけだった。たぶん体の中で泣いているんだろうと僕は思った。声も涙も出さずに泣いているのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
何日も泣き続けた。何も口にせず、外にも出なかった。涙として流れ出た水分を時々体内に補給し、倒れ込むように短いうたた寝をするだけだった。あとの時間は休みなく泣いた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
涙が搾るように頬を伝って来ました。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (1974年) (井上靖小説全集〈1〉)」に収録 amazon
涙は、ポンプからふきだす水のようないきおいであった。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
女の顔は、噴水のように吹き上げる涙でたちまちびっしょりと濡れてしまった。
伊藤 永之介 / 鶯 (1956年) amazon
断水した蛇口から空気がもれるみたいな、人を狼狽させる泣きかた
安部 公房 / 他人の顔 amazon
眼に湯のような涙が溢れて来た。
宇野 千代 / 色ざんげ amazon
ぽろッぽろッと玉のような涙が唐筵(とうむしろ)の上に音をたてて落ちた。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
両方の眼にいっぱい溜った涙が、ちょうど窓の硝子を辷(すべ)り落ちた雨のように、紫っぽく腫れた顔を筋になって流れた。
野上 彌生子 / 哀しき少年 amazon
突然瞼を焼くような熱い涙が、私の眼から流れ出た。
梅崎春生 / 桜島 amazon
虫のようにしくしく、長いこと泣いていましたよ。
梅崎 春生 / 桜島 amazon
あたたかい涙が湧湯(わきゆ)のようにあふれて流れた。
深田 久弥 / あすなろう「あすならう・オロツコの娘 (1954年) (現代日本名作選)」に収録 amazon
火のついたように身を慄(ふる)わして泣いて
長塚 節 / 土 amazon
彼女は心の底から泣いていた。演技しているようなきれいな泣き方だった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
目からは汁のように涙が垂れて、頬にだらだら広がっていった
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
体を震わせて泣きつづけ
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
夢野久作 / ドグラ・マグラ 青空文庫
両手に顔を埋 め、何も言わずに泣いてしまいました。
芥川龍之介 / 河童 青空文庫
蛇口が壊れたみたいに、三葉の目が大粒の涙をこぼし続ける。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
雪江さんは言 ここに至って感に堪 えざるもののごとく、潸然 として一掬 の涙 を紫の袴 の上に落した。主人は茫乎 として、その涙がいかなる心理作用に起因するかを研究するもののごとく、袴の上と、俯 つ向いた雪江さんの顔を見つめていた。
夏目漱石 / 吾輩は猫である 青空文庫
はらはらと涙を落しながら
芥川龍之介 / 杜子春 青空文庫
子供のように泣きつづける
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
肩をふるわせて泣きじゃくり
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
(酔って心(しん)まで赤くなった)目からはほろほろと煮えるような涙が流れて
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
貞世はその膝 に突っ伏してすすり上げすすり上げ可憐 な背中に波を打たした。
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
今までとめどなく流していた涙は、近づくあらしの前のそよ風のようにどこともなく姿をひそめてしまっていた。
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
ひとりでに涙がわくようにあふれ出て
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
顔の痙攣 が激 しくなって月の出のように真珠色 の涙が下瞼 から湧いた。
岡本かの子 / 金魚撩乱 青空文庫
涙がするすると流れ出た。
岡本かの子 / 渾沌未分 青空文庫
あたりかまわず泣きたてた。
梶井基次郎 / 城のある町にて 青空文庫
涙がまるで馬鹿のように流れている。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
涙の出るにまかせていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
手におえない我まま娘のようにワッと声を上げて泣いている
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
くず折れると、まるで駄々ッ子のように泣き出して
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
目が円くふくれ上って、何も見えなくなる程泣きじゃくって
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
私は沈黙って泣いていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
目頭に熱い涙が湧 いてくる。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
塩っぱい涙をくくみながら、声を挙げて泣き笑いしている
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
涙を振りほどきながら、男に云った
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
涙と云うものは妙なものだ。ただの水、なまぬるい水、ぞっこん心がしびれてくる水、人の情のようになぐさめてくれる水、誇張の水、歩きながら泣くのはまことに工合がいい。風がすぐ乾かしてくれる。ハンカチもいらない。袂 も汚れない。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
眼尻に涙が溢 れて来る。何の思いもない、水みたいなものだけれど、涙が出て来るといやに孤独な気持ちになって来る。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
悲しかったことから許されて泣いていた
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
誰にもきこえないように泣いた。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
塩っぱい涙を舌のさきでなめている
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
弟はうなずいた。 そして、泣いた。 彼が赤ん坊の時に私が隣の部屋で、毎夜いやっていうほど聞いた、あの 無垢 であけすけな涙ではなく、ぽろぽろと静かにこぼれる、大人の行きづまりの透明な結晶だった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
彼は泣いて止めるばかりで、痛々しい状態だった
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
人間は、心の中で震える小さな弱い何かをきっと持っていて、たまに泣いたりしてケアしてあげたほうが、きっといいのだろう。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
両手で顔を覆って、肩を震わせた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
目からも鼻孔からも 瞬く間に涙が 溢れ出て、十和子は両手で顔を隠す。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
胸のなかで何かが崩壊するような動きがおきて、それがそのまま目から涙になって溢れ出る。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
そのままベッドに倒れ込んで、声をあげて泣いているうちに、いつのまにか眠りに落ちて陣治の夢を見た――。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
濡れた小鼻がピクピク震えている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(うどんを)食べている途中から、身体が温まったせいかまた涙が溢れ出てくる。俯くと鼻腔にまで流れ込んで喉がふさがってしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(目を閉じた状態で泣けてくる)洋子は、閉じ合わされた瞼の隙間に涙が満ちてゆくのを感じ、眉間を震わせながらそれを堪えた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
膝の上に、ぽたぽたと涙の滴が垂れていたが、俯いたままのその顔は、ただ紅潮した頬が覗くだけだった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
慟哭 としか言いようのない泣き方
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
涙を感動の物差しとして誰かに示す
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
頰 を涙が 滂沱 と流れている
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
ひとりで畳をかきむしって泣きました。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
「ほんとだよっおっ」 体がびくんと跳ねるタイミングで、声も跳ねてしまっている。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
いくら絞ってももう一滴も出てこない添えもののレモンのようになるほど泣いていた
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
やがてすすり泣きが聞こえてきた。最初それが彼の口から聞こえているとは気付かず、部屋のどこかで壊れたオルゴールが鳴っているのかと錯覚したほどだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
髪の毛に触れると、彼が小さく震えながら泣いているのがわかった。声は何も聞こえないのに、弟の涙がさらさらとシーツにこぼれていくのがわかった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
身体中の水分を絞り出すようにして泣く
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
泣いて解決することなど何もない。《…略…》でも、目の前で思い切り泣かせてくれる人がいるのは、とても幸せなことなのよ
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
ウッと 嗚咽 を漏らしました。両手で顔を覆い、溢れ出る嗚咽を飲み込むように苦しそうに泣いています。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
堰 が切れたみたいに泣いていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
涙も薬だからね。涙の中には悲しみが溶けていて、体の中で毒が固まるのをふせいでくれる
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
くすん、と姉さんが音をたてたので、振り向くとなんでだかべそをかいていた。
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
身をよじるようにひとりで泣いている
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(小さい目の)トミ子は涙をこぼした。小さなドブから水が 溢れるように、ジワジワビショビショと涙が溢れた。
向田邦子 / だらだら坂「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
直子は急に眼を堅く閉じ、首を曲げ、息をつめて顔中を 皺 にした。そしてそれを両手で 被うと、いきなり 突伏 し、声をあげて烈しく泣き出した。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
彼女の涙は熱帯の雨に似ているとティエンは思う。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
体中を震わせて泣きました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
顔を 歪めて泣いた。声もたてず涙も流さず、それでも精一杯顔筋をひきしぼって泣いたのである。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
病室に響き渡るような大きな声で泣いていた
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
涙がとめどなく 溢れ、吾郎は獣のように 哮 えながら泣いた。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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