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室内の闇・部屋が暗いの表現・描写・類語

高い天井の真ん中に小さな明かり取りの窓のようなものが幾つか見えた。しかし月はまだ高く上がっていなかったので、明かりと呼べそうなものはそこから入ってこなかった。仄かな街灯の明かりが屈折に屈折を重ねた末にほんの少しだけその天窓から忍びこんでいたが、殆ど何の助けにもならなかった。《…略…》やがて何かの加減で、部屋にさしこむ光がほんの少しだけ明るさを増した。月が上がってきたのだろうか？あるいは街の光が明るく灯り始めたのだろうか？

村上春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下)　amazon

部屋の中は真っ暗だった。窓の重厚なカーテンが引かれ、室内の明かりはすべて消されている。カーテンの隙間から僅かに光の筋が漏れていたが、それもかえって暗闇を際だたせる役目しか果たしていなかった。

電灯の傘が暗い部屋の壁に漆黒の影を落としている。

扉の先に光はなく、密度のある暗がりが重なり合うようにさらに奥へ続いていく。

中村文則 / 教団Ｘ　amazon

薄暗い玄関が水の中のように感じられる。

黒井千次 / 群棲　amazon

襖をたてると昼間でも黄昏のように暗い部屋だった。

林芙美子 / 河沙魚「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録　amazon関連カテ障子（しょうじ）・襖（ふすま）

扉は音もなく開き、そして僕の前にはまったく別の種類の闇が広がった。

村上春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録　amazon

診察室をのぞくことができた。先生も看護婦もいなかった。そこは放課後の理科室のように薄暗かった。

小川洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ病院閑散・人気（ひとけ）がない

夕闇はどんどん広がっていた。ベッドのシーツの白さだけが、わたしたちの間をぼんやり照らしていた。

小川洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ夕方

台所は電気が消してあるので巻子の背後には廊下の蛍光灯の安っぽい光がちろちろして全体的に灰色であった。

川上未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録　amazon

闇の粒子が僕の網膜に不思議な図形を描いた。描かれた図形はしばらくすると音もなく崩れ、別の図形が描き出された。水銀のように静止した空間の中で、闇だけが動いていた。

村上春樹「羊をめぐる冒険」に収録　amazon

真っ暗な台所

吉田修一「悪人」に収録　amazon

暗い洞窟のような重症病室

松本清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録　amazon関連カテ病室

電気が消えると、尾崎の部屋は宇宙になる。高校のときに夏休みの課題で作ったというへたくそなプラネタリウムがぐるぐるぐると回って、尾崎の体を星が通っていく。

朝井リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

暗さが眼に馴れてくると、雑然と風呂敷包みが石塊のように四囲に転がっていて、寝巻や帯が、海草のように壁に乱れていた。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ散乱・雑然・散らかっている脱ぎ捨てられた（無造作に丸まった）服

奥行の深い、間口の広いその店は、何だか貝殻のように暗くて

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ店・建物の佇まい・外観

傘のない電燈が馬鹿にくらい。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ蛍光灯・屋内のあかり

象舎の灯りはいつもよりずっと早く、七時三十分には消え、それを境に全ては闇に包まれてしまった。

村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ蛍光灯・屋内のあかり

（薄暗いバー）場所はいつものアルバイト先なのに、少し不安な暗さが漂っていた。

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ不安になる

部屋は暗く、ベランダ側のカーテンだけが仄明るい矩形に浮かび上がっている。

沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテカーテン室内に差し込む光

カーテンの隙間から薄い夜の光が差し込むいつもの部屋

沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

（消灯した部屋でDVD鑑賞）パソコンの小さく発光する画面は、自宅のテレビで見ている時よりも、むしろ映画館にいる時のような没入感をもたらした。

平野啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録　amazon関連カテディスプレイ・テレビ画面

（雪の明かりが差し込む暗い室に裸の男性）彼の胸が闇の固まりになって目の前にあった。背中の方から雪の明かりが彼を包んでいた。ぼやけた光の中で、筋肉の輪郭が生々しく浮き上がっていた。

小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　amazon関連カテ愛撫（前戯）

闇の中で部屋に引きっぱなした布団や食卓が白く浮んでいる。

遠藤周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ白色（白い）

仄ほの白じろい光が対岸から拡がっていたが、それはほとんど川面で弾け散って、舟の中ではときおり小さな光のかけらが瞬くだけであった。

宮本輝 / 泥の河「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ室内に差し込む光薄暗い

ホームの灯が消された。雪明りが待合室をぼんやりと染めた。

浅田次郎 / 鉄道員（ぽっぽや）「鉄道員（ぽっぽや） (集英社文庫)」に収録　amazon関連カテ雪景色・銀世界

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