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「形容詞」 + 「怒り」の表現・描写・類語
すべてを忘れて怒りの青白い光に全身を染めたその様子
吉本 ばなな / TUGUMI amazon
谷から吹き上げて来る野分(のわき)のように、襲って来たものは怒りでした。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
内臓の壁が慄(ふる)えるような烈しい怒りに駆られた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
ブラウスのボタンをひきちぎって怒りだす
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
意味を理解したとたんいままでの熱い怒りではなくひやりとした怒りに切りかわった。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
腹の底に湧いた怒りは止まることなく膨らみ始め
池井戸 潤 / 民王 amazon
シューッという音が泰山の脳天からし始めた。怒り心頭である。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
声はしかし、マグニチュード8の地震の最中に呟かれたように怒りで震えている。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
失望と怒りを掻 き交ぜたような声をして、座敷の中から「この馬鹿野郎」と怒鳴 った。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
全身の皮膚を破るような血が立った。怒りでからだが膨張するようだった。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
口調に、怒りの色を感じ取った。
金沢 優「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」に収録 amazon
目の前が暗くなるような怒り
芥川龍之介 / 偸盗
気違いじみた、訳の分らぬ怒りが後頭部から匍い上ってくる
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
決闘したいような怒りを覚える。
岡本かの子 / 母子叙情
(相手の)襟もとを、力まかせに――極度な怒りをこめた腕で――捻じ切るほど締めた
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
むらむらと、やり場のない、怒りを感じた。
吉川英治 / 無宿人国記
行一はまだ妻の知らなかったような怒り方をした。
梶井基次郎 / 雪後
必死で落ち着いた声を出そうとしていたが、怒りは隠せなかった。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
本当に反論で胸いっぱいで、妻を怒りたかっただろう。そういう顔をしていた。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
くらくらとした怒りを覚えた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
怒りが込みあげてくる。怒りは抵抗不可能な生理反応だ。目を眩ませ、思考力を麻痺させ、妄想を見させる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
凶悪な犯人の逮捕にも失敗した。そんな市民の 怨嗟 の声と、怒りの 礫 を浴びなければならないのは、すべての警官だ。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
黙したまま顔面を怒りでブルブルと震わせた。唇を半開きにして、 忙しなく口呼吸している。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
不思議だ。あれほど烈しい怒りの頂点にいながら、わたしはその怒りを怒りとして認識してはいなかった。わたしの中のどこかに、まっすぐな、まじりけのない怒りそのものを 弄び、楽しもうとしている何かが潜んでいた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ぶんなぐってやりたいほどの怒りを覚えた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
江原の目の中で、怒りの炎が揺れ動いている。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
「誰に向かっていってんだ」 田村は眼底に怒りを揺らめかせた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
視線を向けたとき、そこには怒りが宿っていた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
愛子は、次々と湧き出てくる怒りを手なずけられない自分に苛立ちもした
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
どんな方法を用いても母の怒りは鎮まらなかった。苦しみと嘆きの叫びに貫かれた怒りだった。彼女の感情があまりにも強烈なために、自分の気持がどうなっているのかを、見失うほどだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
陣痛のような怒りがこみあげる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
どうしようもない怒りが湧いて来た。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
瞳は怒りでキラキラ輝いていた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
彼女の瞳は怒りでキラキラと輝く。ティエンは金縛りに会ったように身動きできない。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
あまりの怒りで毛布を蹴飛ばして起き上がった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
爆発させてしまった怒りを収拾することができずにテーブルに長いこと肘を突いていた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
私はその頃ほとんど怒りというものから無縁だったが、その声を聞いた時、吐き気のようにこみ上げたのは怒りのようなものだった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
烈しい怒りを抱いた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
体は怒りでぶるぶると震えた。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
心に黒い怒りが渦巻いた。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
割箸を持つ手が細かく震えて来た。袖口や襟のあたりのよれよれになった汚い黒サージの学生服の長い上半身が膳を前にしてその上に蔽いかぶさるようにしていたが、顎を落しているため一層猫背になった彼の体は出口を持たぬ怒りを全身に閉じ込めていた。右手の箸に挟んだ蒟蒻が小刻みに波打って来た。箸が重かった。心の怒りと侮辱感とに重かった。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
どっと内からふき上ってきた怒り
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
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