恋人の表現・描写・類語
遊星のように自然と引き合う(男と女)
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
地球が太陽のまわりを廻っているように恋人のまわりを廻っている
武者小路 実篤 / お目出たき人 amazon
(交際)これまで私は誰かと親しい関係になるたび、自分が少しずつ取り替えられていくような気分を味わってきたからである。 相手の思考や、相手の趣味、相手の言動がいつのまにか自分のそれに取って代わり、もともとそういう自分であったかのように振る舞っていることに気付くたび、いつも、ぞっとした。やめようとしても、やめられなかった。おそらく、振る舞っている、というような生易しいものではなかったのだろう。 男たちは皆、土に染み込んだ養分のように、私の根を通して、深いところに入り込んできた。新しい誰かと付き合うたび、私は植え替えられ、以前の土の養分はすっかり消えた。それを証明するかのように、私は過去に付き合ってきた男たちと過ごした日々を、ほとんど思い出せないのである。また不思議なことに、私と付き合う男たちは皆、進んで私の土になりたがった。そして最後は必ず、その土のせいで根腐れを起こしかけていると感じた私が慌てて鉢を割り、根っこを無理やり引き抜いてきたのだった。 土が悪いのか、そもそも根に問題があるのか。 旦那と結婚すると決めた時、いよいよ自分がすべて取り替えられ、あとかたもなくなるのだ、ということを考えなかったわけではない。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
(喧嘩の絶えない付き合いの長い恋人同士)。私たちは話し合いや歩み寄りに途方もない労力を注ぎ込んできたけど、結局はずっと同じ場所で踊り続けているのではないか。永遠に続くマイムマイム、パートナーの交代もないまま、私たちは深刻な表情でエンドレスのメロディに乗って単調な身ぶり手ぶりで踊り、キャンプファイヤの火が消えるのを待ち続ける。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
ずっと付き合い続けている毅との間には、遠慮も恥じらいもほとんどなくなって、恋人というより兄妹のような関係になりつつある。でもその分いない人生が考えられない。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
主従以上に親しかった
吉川英治 / 醤油仏 青空文庫
K君と彼女との間には、清水のようなものが流れていた。K君が彼女にゆっくりと視線を向け、彼女が「そうね。」とか「うん。」とか、大して意味のない言葉をつぶやく時、控えめでひそやかな水の音が聞こえてきそうだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
人に嫌な気分を感じさせるカップル
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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