旅館・ホテルの表現・描写・類語

大旅館の広間で繰り広げられる、深夜までの狂乱のカラオケ合戦の余波が、畳や壁のどこかから響いてくるような部屋

人里離れた奥深い渓谷の底にしっかりへばりついた、執拗な貝殻のかたまりのような旅館

制服がよく似合うスマートなドアボーイ

（部屋を案内しチップを受け取った）ボーイはにっこりして、賢い猫のようにそっと部屋を出て行った。

（うらぶれたホテル）全ての家具は色褪せ、全てのテーブルは軋み、全ての鍵は上手く閉まらなかった。廊下は磨り減り、電球は暗かった。洗面台の栓は歪んでいて、水がうまくたまらなかった。

見るからにホテル・ビジネスのプロという雰囲気の男だった。《…略…》彼らは大体いつも笑みを浮かべているのだが、状況に応じて笑顔を二十五種類くらい使いわけられるのだ。丁寧な冷笑から、適度に抑制された満足の笑みまで。その笑顔のグラデーションには全部番号が振ってある。ナンバー１からナンバー２５まで。そういうのを、彼らは状況に応じてゴルフ・クラブを選ぶみたいに使いわける。そういうタイプの男だった。

宿泊客の目に触れにくいように、フロアのいちばん端の奥まったところにある従業員用のエレベーター

娯楽室にピンポンや時代遅れのテレビゲーム

ホテルのロビーは酒に酔った集団の喧騒で埋め尽くされている

旅館の中庭に、萩が絵のように咲き乱れていた。

（ホテル・オークラ）本館のロビーは広々として天井が高く、ほの暗く、巨大で上品な洞窟を思わせた。ソファに腰をおろして何ごとかを語り合う人々の声は、臓腑を抜かれた生き物のため息のようにうつろに響いた。カーペットは厚く柔らかく、極北の島の太古の苔を思わせた。それは人々の足音を、蓄積された時間の中に吸収していった。ロビーを行き来する男女は、何かしらの呪いで大昔からそこに縛りつけられ、与えられた役割をきりなく繰り返している一群の幽霊のように見えた。

ニシキゴイが泳ぐ歴史ある料亭

この旅館名物の急勾配の階段

古くて安い、サービスと清潔さの不足した五階建てのビジネスホテル

萎びた洋館のようなビジネスホテル

煎餅のような生木の薄いバラック旅館

崖にしがみついたような小さな旅館

一人前ずつ小さいポットに紅茶を入れ、別のポットに熱いお湯を入れて出す正式な紅茶のだし方をするホテル

（これだ） 　と感じた、小さな宿へ泊ったのである。 　こうしたときの私の眼に、ほとんど狂いはなく、快適なもてなしをうける。旅館のみならず、人の住む家というのは、住む人のこころが歴然とあらわれてしまっていること恐ろしいものだ。外観を見ただけで、およその見当がついてしまうものである。

橋を渡る下駄の音に混って、夜も昼も潺湲（せんかん）の音を絶やさぬ京都四條河原の宿

冬ざれた溪間の旅館は私のほかに宿泊人のない夜がある。そんな部屋はみな電燈が消されている。そして夜が更けるにしたがってなんとなく廃墟に宿っているような心持を誘う

チエホフの小説にでもありそうな古風な浜辺の宿

（ホテルのロビー）巨大なシャンデリアが下がっている吹き抜けのロビーには、様々な国の言葉が溢れていた。

（広いホテル）これだけ大きなホテルだと、人々も植物も細かいパートに分かれてそれぞれに機能し、もはや有機的な動きをしている巨大な生き物のような感じがする。

（隣り合ったホテルの客室）その部屋の造りはちょうど私の部屋と対称的な構造になっていて、言わば壁一枚をあいだに挟んで二つのベッドが並んでいる