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愛撫(前戯)の表現・描写・類語
一本一本の髪の毛をいとおしむような丁寧な愛撫
加賀乙彦 / 海霧 amazon
(レズビアン)それから下着の中に彼女の細くてやわらかい指が入ってきて、《…略…》男の人のごつごつした指でやられるのとは全然違うのよ。凄いのよ、本当。まるで羽毛でくすぐられてるみたいで、私もう頭のヒューズがとんじゃいそうだったわ。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
僕のペニスはとても固く、そして熱かった。それだけ激しく僕は彼女を求めていたのだ。僕はひどく乾いていたのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
(熱いペニスを口に差し込まれて)焼けた石のように舌をただれさせる
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
彼女は天吾の勃起していないペニスを、眠り込んだペットを扱うみたいに手のひらに載せて、その重さを量りながら
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
右手が美登里の首すじをすべった。ややためらいながら、指は半円を横にいくつか描いた。そして思いきったように、指は衿元の国境線を越えた。しかし車の中での姿勢では、長原の指は途中までしかとどかない。スロープが始まる手前をもがくだけだ。
林 真理子 / ◦最終便に間に合えば林 真理子「最終便に間に合えば」に収録 amazon
徳子の体を餅をこね回すようにこね回したい
井上 友一郎 / ハイネの月「日本の文学 64 井上友一郎」に収録 amazon
愛撫ではなく手厚い治療を受けているという感覚。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
背面のすみずみまで揉みほぐしていく指が、ひとつの部分にだけは触れようともしない。その窪みのすぐそばを指が 掠めていくたびに十和子の息が止まる。何かのはずみにふと開かれて空気と視線にさらされるのを感じると、不随意な 収斂 が身体を駆け抜ける。陣治の視線になぜか欲望は含まれていなくて、十和子はもう何も考えず、どこまでも退行して小さな赤ん坊になっていくような気がする。 仰臥 の姿勢をとらされて、またいつ果てるとも知れないマッサージがはじまる。触れられない部分が触れられないために何倍にも肥厚し、肥大し、発熱し、発赤していく。そのままで目を閉じ、身体をまかせきっている。夢想のなかで、いつものようにいつのまにか、淫らな赤ん坊である十和子は父親に愛撫されている。無造作な、優しい、容赦ない父親の手。快感はまるで拷問のようだ。自分から知らない間に大きく脚を開いている。それでも触れてこようとしない。両脚の間にすわった父親は、下から両手を差し入れて持ち上げるように腰を揉む。十和子は父親の顔を知らない。ようやく腹にたどり着いた指先が、触診するように臓腑のかたちを探った後で、十和子はどこにも触れられず、じろじろと見つめられるだけでしばらく放っておかれる。それからいきなり二つの乳首の先端の何ミリかが摘み上げられる。声をあげる。父親がなぜそんなことをするのかわからない。十和子のほかの部分への興味を失って、見たこともない昆虫を捕らえたとでもいうような無邪気さでそれにかかりきりになる。二つの乳首は研究され分類され標本にされる。その後でようやく父親は、ふと思い出したようにもうひとつのものの研究にとりかかる。考え込みながらしげしげと眺める。すると父親が眺めている傷口から、十和子の身体がゆっくりと赤い内部をさらしながら裏返っていく。ほかのときにはありえない無様で滑らかな 蠕動 が胸、腹、腰を波打たせる。この瞬間のために自分が存在するのだと、この瞬間だけまた芯から思う。それから十和子はもうどこにもいなくなる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
楽器を奏でるように指が動く。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
二人のからだは、縁から少しずつ、更けゆく夜の一部と化していった。見つめ合い、折々 萌す笑みを、熱を帯びた唇で移し合った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
互いの身体を愛撫し合い、唇と唇を重ね合って、ベッドの中、その日二度目の性の交歓に向かう助走を始める
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
野呂にお尻の穴を舐められて、「自分はこんなに愛されている」とは思わず、それよりわたしは、「自分はこんなにこの男を愛している」と実感したのだ。それは全く、不思議な感覚だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
彼の愛撫はわたしを溶かし続けた。自分自身がとろけ、蜂蜜になっていくような感覚にとらわれながら、わたしは喘ぎ声の中に言った。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
互いに身体を押しつけ合うような、淫らな抱擁を繰り返した。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
服を脱いだ素肌が、冷房の風に当たって冷たい。だけど、唾で濡れたり、涙が触れたりして一度あたたかくなった場所のほうが、もっともっと冷たい。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
その指は静かにミュウの乳房の曲線をなぞっていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(大柄な女性)トミ子の白い体は更にひと廻り大きく思えた。 庄治は自分があだ名の通り鼠になって、白いピカピカ光った大きな鏡餅によじのぼって遊んでいるような気がした。
向田邦子 / だらだら坂「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
(女は)彼の股間に手をやり無邪気に微笑む
「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
彼は自分の人差し指と中指をVの字にして当てた。そして、それをゆっくりと移動させ彼女の目を閉じさせた。まるで、目を開けた死体に対してするように。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
サユリを慎重に愛し始めた。彼は、おくれ毛を舌でどかしながら首筋に口を付けた。サユリの吐く息が暖まって来たのを感じると、我慢ができなくなって、彼女を抱く腕に力を込めた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
ものわかりのいいプッシィ
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
これからゆっくりと時間をかけて、官能の皮を 剝 こうとしているサユリとスタン
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
私は女を抱いた。他になにが出来るだろう。 しかし、女は身を固くし、 抗いはしなかったが、灯りを消して私に近づいたのは自分ではないといいたがっているように動かなかった。 細い肩を抱き、その髪に手を触れた。 急がなかった。女の胸の深い芯のようなところに熱いものがあり、それがゆっくり 熔けて行くという気がした。 額に唇を寄せ、 頰 に移し、ややのけぞらせて首に舌を触れた。耳にも触れた。 無言の時がすぎ、女は深く息をついた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
愛撫の手は少しずつ女の下腹に移り、しなやかな恥毛を経て細い 陥穽 の中に落ちた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
女の声は不穏な唸り声から、雌の鳴声に変わった。それにつれて、男の息遣いが伝わってきた。
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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