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寂しいの表現・描写・類語
異邦人のような寂しい気持
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
(寂しさが)汐(しお)のようにひたひたと寄せてくる。
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
崖からつきおとされたように寂しくなる
島尾 敏雄 / 死の棘 amazon
いつも寂しい砂地のような心の人
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
淋しさがヒシヒシと身に迫って来て、いうにいわれぬ悲しさがあとからあとからこみ上げて来た。
夢野久作 / あやかしの鼓 青空文庫
一つだけ消えない塊がある。これは寂しさだと、俺は知る。その瞬間に俺には分かる。この先の俺に残るのは、この感情だけなのだと。誰かに無理矢理持たされた荷物のように、寂しさだけを俺は抱えるのだと。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
彼女がいないのは寂しかったが、寂しいと感じることができるというだけで少し救われたような気がした。寂しさというのは悪くない感情だった。小鳥が飛び去ってしまったあとのしんとした椎の木みたいだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
妙にやる瀬ないさびしい気分になっていた。強い男の手で思い存分両肩でも抱きすくめてほしいようなたよりなさを感じた。
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
人間力ではどうする事もできない悲しい出来事にでも出あったように、しみじみとさびしい心持ちになってしまった。
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
蝋燭の灯が、フッと吹き消されたような寂しい心持
宮本百合子 / 伸子 青空文庫
岡本かの子 / 河明り 青空文庫
しんしんと淋しい気持が、かの女の心に沁 み拡 って来る
岡本かの子 / 母子叙情 青空文庫
どこへ行っても砂原のように寥々とした思いをするので、私は胸がつまった。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
泥沼に浮いた船のように、何と淋しい私達の長屋
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
「ヘエ! お高く止っているよ。」あんまり淋しいんで、声に出してつぶやいてみた。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
何だか淋しく、血のようなものが胸に込み上げて来た。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
今の淋しい私には笑えなかった。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
我慢のならない淋しさが胃のなかにこげつきそうになって来る。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
寒々と心の中が凍るように淋しくなる。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
何となく淋しくて何も手につかない気持ちになった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
肩に手をまわして抱き寄せてやった。《…略…》さびしくて怯えて、誰かの温もりをほしがっているのだ。松の枝にしがみついている子猫のように。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
ちょうど朽ち腐れた土台の木に地面の 湿気 が自然に浸み込んで行くように、変な淋しさが今ジメジメと彼の心へ浸み込んで来るのをどうする事も出来なかった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
淋しいいかにも元気のない顔つき
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
腹の底から込み上げて来るような寂しさを覚えた
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
じわじわと寂しさが押し寄せてきた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
糸のように細く引いた、しかも無理に長さをたぐりのばせるようなかすかな淋しさが、胸の辺りから流れ上る
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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