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失恋・恋人と別れるの表現・描写・類語
現実感のないままに、はかなく終らなければいけなかった恋に、久仁子がたくましく生活を持ち込もうとした。それはあきらかにルール違反だった。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
(恋人と付き合い始めたが期待外れにときめかない)邦彦との関係に対して、浮き立つものを感じられなくなっていた。 期待に胸を膨らませて観に行った映画が、タイトルが映し出された時こそ感動が押し寄せてきたものの、上映時間が進むにつれ、「あれ?」と退屈を覚えずにいられなくなり、「いや、これから面白くなるはずだ」「だって、いい監督だもの」と自分に言い聞かせ、挽回を期待し、けれどそれでも気に入らない点ばかりが増していくような感覚だ。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
(恋人が同棲中の部屋から出て行って自分ペースの生活に戻り)軌道にもどった僕はまた宇宙のなか一つだけうかぶ恒星。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
別れ話は死刑宣告と似ていて、私は簡潔な言葉でキュッとしばり首にされながらも
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
「幸せだった分、いまがつらい……」
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
失恋の果敢 なき運命をかこつ身となって
夏目漱石 / 吾輩は猫である 青空文庫
ある草や木が生きていられる、――最も自然ないい状態においてだね――場所というのはきまっているね。地面の上でさえあればいいというわけにはどうも行かんらしい――ある草は、北緯何度の地帯でしか生存できない。或は、赤道附近でしか生きられない。人工で温室に入れたり他の方法を用いたりして枯れないだけには保てないこともないさ。けれども、悲しいことには、そうされて生きる植物は実らない――繁殖できない。――ここが恐ろしい点だよ。人間も、どんな境遇にだって、ある程度までなら生理学上の命だけは失わずに生きられよう。が、地味が本ものでないと実らない。理想論だが、何だね、能うべくんば、人間互にその本ものの地味を作り、また与えたいもんだと僕は思うな。こういう話になったから率直に云うが――まあ、君らも――強いて一つの小さい、体に合わない植木鉢の中で揉み合っていなければならないこともなかろうさ
宮本百合子 / 伸子 青空文庫
ワンタンの屋台に首をつっこんで、まず支那酒をかたぶけて、私は味気ない男の旅愁を吐き捨てた。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
私は汽車の窓から、ほんとうに冷たい握手をした。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
男の人は嘘つきが多いな。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
恋愛に破れた時は、生きる自信がなくなってしまったような気持ちでした。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
その頃私は、人妻との長い大変な恋愛が終わったばかりで、しかもふられたのでかなり疲れ果てていてとても色恋に向けるエネルギーなんてなかった
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(恋の終わりの予感)2人はもう終わるかもしれない……と思った。やることがない。のびてゆく方向が閉ざされている。ガラスケースのなかの植物のように、助け合っていてもお互いがお互いに救いや解放感を感じさせない。 闇 の中で傷をなめあったり、老夫婦のように寄り添って暖をとったり。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
2人で恋のさなかに見たいろんなこと、なま温かい夜の感触、送ってもらう朝焼けの道で、寝ぼけた頭でタクシーから見た、あのオレンジに染まったビル街の美しさ、それから涙、熱い手のひら、そういうものの強い香りを、思い出させたかった。まるで恋の末期に、ふられそうな女がそう思うみたいに必死で。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
(俊一の元彼女 → 十和子、今彼女 → カヨ)カヨが〈俊一〉と呼び捨てにするたびに、十和子のどこかが 蹂躙 されこわばっていく。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(失恋前の二股期間)千晶と恋におちながらも、野呂が平然とわたしとのつきあいを続けていた時期がある。それはわずか二か月ほどの間のことにすぎなかったが、わたしにはそれが一年にも二年にも感じられた。 本当に苦しかったのは、野呂から改まって別れ話を切り出された時ではない。野呂から愛の 残滓 のようなものを受け取っては、それを虚しく貪ろうとしていた、あの宙吊りの二か月間だったと思う。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ああ、オレの女、サユリ! さめざめ、さめざめ、さめざめ。コバヤシのようすは、まるで梅雨時の小雨のように湿気に満ち溢れていた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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心変わり・熱が冷める(愛を)捨てる・放り出す(恋が)終わる・最後離婚 |
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