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鏡・ミラーの表現・描写・類語
鏡台は、おもちゃのように小さく、古めかしいものであった。
永井 龍男 / 青梅雨 amazon
(化粧品売り場の鏡)貴金属を照らす用のきらきらしいライトの光が頭上から一直線に注いでいるので、楕円形の鏡のなかの女の顔はどの鏡で見るよりもロマンティックな具合に見える。手をおいたカウンターのなかからも薄水色の光がまあるく膨らんでいて、まっすぐな光が上からまあるい光を刺すこの具合がどうも数字的だわ、と感心しながら、そのなかで浮かびあがる女の鼻は少しチャーミングであるようにも見える。
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
鏡は己惚 の醸造器であるごとく、同時に自慢の消毒器である。もし浮華虚栄の念をもってこれに対する時はこれほど愚物を煽動 する道具はない。昔から増上慢 をもって己 を害し他を戕 うた事蹟 の三分の二はたしかに鏡の所作 である。仏国革命の当時物好きな御医者さんが改良首きり器械を発明して飛んだ罪をつくったように、始めて鏡をこしらえた人も定めし寝覚 のわるい事だろう。しかし自分に愛想 の尽きかけた時、自我の萎縮した折は鏡を見るほど薬になる事はない。妍醜瞭然 だ。
夏目漱石 / 吾輩は猫である 青空文庫
(鏡の中の自分)我々は顔を見合わせてため息をついた。我々は違う世界に住んで、同じようなことを考えている。まるで「ダック・スープ」のグルーチョ・マルクスとハーポ・マルクスみたいに。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
ホールの鏡壁の七面へ映る七人の自分
岡本かの子 / 巴里のキャフェ――朝と昼―― 青空文庫
鏡に色目をつかったって、鏡が惚 れてくれるばかり。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
私の顔が二重に写っている鏡の底
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
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