春の夕方・夜の表現・描写・類語

淡く春の夕闇がただよう

三月半ばの冷え冷えと曇り立った暮れ方

（夕方）街の上に黄を交えて澄みとおった春の空が開けている

心地よい春の宵の風に当たる

若草の芽も一晩のうちに伸びるような暖かい春の宵

（大勢の）足音も人声も、春の暮れがたの空に吸われて、音が尖ってきこえず、やわらかい円みを帯びてきこえる

春先の夕暮れ特有の郷愁をはらんだざわめき

春の初めの夜は、闇の色合いや風の感触が柔らかく、少しも寒くない。

さすがに春の灯火（ともしび）は格別である。天真爛漫（らんまん）ながら無風流極まるこの光景の裏（うち）に良夜を惜しめとばかり床（ゆか）しげに輝やいて見える。

アケビの蔓の、花は明るい紫色だ。 　もちろん、そのときは木の名前なんか知らない。ただ、「きれいだなあ」と、夜が近づきあたりが見えなくなるのを惜しむばかりだった。

三月末の夕方の空はなごやかだった。庭先の一重（ひとえ）桜のこずえには南に向いたほうに白い花（か）べんがどこからか飛んで来てくっついたようにちらほら見え出していた、その先には赤く霜枯れた杉森（すぎもり）がゆるやかに暮れ初（そ）めて、光を含んだ青空が静かに流れるように漂っていた。

水っぽい春の月