「後悔」の言葉を使った後悔の表現
いまでも、最後に彼女がそう言ったときの小さな笑みを、ときどき思い出す。その笑みが心の右はじあたりに小さな痛みとして住み着いて、雨の日にはまるで古傷のように顔を出す。 でもよく考えたら、僕の心にはそんな小さな痛みがたくさんある。その小さな痛みのことを、人は後悔と呼ぶのだろう。
川村 元気 / 世界から猫が消えたなら amazon
後悔はしていないが、気分は重かった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
「人間は後悔をする動物だが、改心はしない。繰り返すんだよ、馬鹿なことを。『歴史は繰り返す』というのは、それの言いわけだ」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
新しい後悔が、両肩に載った。他の後悔に比べると、言葉だけのそれはずっと軽く、簡単に払い落とすことができそうだったが、僕は赤ん坊をおぶうように背中を少し曲げて、新しい後悔を胸に染み込ませた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
わたくしは、多少後悔に噛 まれながら
岡本かの子 / 雛妓
自分の意志通りに動けば私は後悔なんてしない事よ。
林芙美子 / 新版 放浪記
路地裏に住んでるみたいな後悔の表情を顔に刻んでいる。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
後悔の気持ちに似た苦い味がする。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
後悔に駆られ、酷く惨めな気持ちになった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
後悔しているのだと、城戸は思った。〝塩漬け〟にしておいた株が、損切りした途端に値上がりしたのを知った素人投資家のような顔をしていた。《…略…》自分の浅慮を恨んでいる風だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
穏やかだけれど絶え間なく、波のように後悔が寄せてきた。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
今、戸田のほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
顳顬 に血汐が押し寄せ、後悔が全身をだるくさせてきた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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