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川の表現・描写・類語
流れ出てきた水が、うねりうねって、解きほぐした絹糸の束のようにつやつやしく、なほやかに揺れながら流れる
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
川の流れが、飛び飛びに岩をかがったように隠見する
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
川の水が絶壁に吸い寄せられたように慕い寄って、濃緑の色を湛えて渦巻く
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
川が長蛇のごとくうねる
太宰 治 / 津軽 amazon
眼にうつる流れが海のように青々と深みをまして迫ってくる
水上 勉 / 越前竹人形 (1980年) amazon
利根川の広い流れが絵を展げたように美しく見渡される
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
生温かい風が、ここちよいぐらいそよそよと吹き渡ってる河原
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
澱んで流れる辺りは鏡のごとく、瀬をなして流れる処は月光が砕けてぎらぎら光る
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
川がうねうねと勝手な方角に花の間を縫っている
伊藤 整 / 青春 amazon
四十九曲がりといわれるほど蜿蜒屈曲して流れる川
幸田 露伴 / 蘆声 amazon
川のところどころが、鳩の首みたいに何色もの光沢でぎらつく
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
川の流れがゆるぎ、糸を捌くがごとく真っ白に翻る
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
水量豊かな温和な川がゆるゆると流れる
太宰 治 / 津軽 amazon
大蛇の目のようにところどころ火影で光る川
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
川の水が土手より遥かに低く闇の底にしらしらと薄く光る
長塚 節 / 土 amazon
車のヘッド・ライトが鮮やかな光の川となって、街から街へと流れる
村上 春樹 / 螢・納屋を焼く・その他の短編 amazon
うねる黒びろうどのような河水
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
水羊羹(みずようかん)のように真っ黒い川
内田 春菊 / ファザーファッカー amazon
横ともなく縦ともなく川波が随意に泡だつ
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
玉の簾(すだれ)を百千に砕いたような谷川
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
青く澄んだ川の水は油のように流れて
島崎 藤村 / 千曲川のスケッチ amazon
川の流れというものが、水源地の変化や、流域の地質の硬弱によって、絶えず方向と様相を変化させつつあるのは、何か生きてのたうつ爬虫類のようにも感じとれる。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
川水は勢いを削(そ)がれどんよりと悲しんでいるようにしばらく澱(よど)んで見せる
室生 犀星 / あにいもうと「あにいもうと・詩人の別れ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
川は、堀割(ほりわり)のように水が濁っていて動かない。
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
水面は波もなく、まるで眠っているように静か
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
川が光っている。銀紙に光を当てたように乱反射する日差しが、川自身が発光していると勘違いさせるほどだった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
「ありゃ、あいづ川だぞ。」 「春日明神 さんの帯のようだな。」三郎が言いました。
宮沢賢治 / 風の又三郎 青空文庫
谷川がごうごうと流れ
宮沢賢治 / ひかりの素足 青空文庫
三メートルぐらい幅があって、沢というよりは川に近い。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
渓流は岩にはじかれるようにあちこちに向きをかえ、ところどころに氷のように冷ややかなよどみを作っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
橋の上から見ると、滑川 の水は軽く薄濁って、まだ芽を吹かない両岸の枯れ葦 の根を静かに洗いながら音も立てずに流れていた。それが向こうに行くと吸い込まれたように砂の盛 れ上がった後ろに隠れて、またその先に光って現われて、穏やかなリズムを立てて寄せ返す海べの波の中に溶けこむように注いでいた。
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
どぶ色をした大きな河。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
ところどころに船が湊泊する船溜り が膨らんだように川幅を拡 げている。
岡本かの子 / 河明り 青空文庫
河口の鵜 の喉 の膨らみのようになっている岸
岡本かの子 / 河明り 青空文庫
瀬の石と石との間に出来た小さい流れ
梶井基次郎 / 交尾 青空文庫
明るい日光の下で白く白く高まっている瀬のたぎり
梶井基次郎 / 温泉 青空文庫
風の冷たさまでもが伝わってくる大きな川
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
清流が縫うように流れている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
川と呼べるほど味気のあるものではない。排水溝をそのまま大きくしたような流れだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(川の)黒い水は高く低く波打って流れ
阿刀田 高 / 来訪者「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
(川は)真黒でドブ臭かった。その黒い水の上に仔犬の死骸やふるいゴム靴が浮いていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
歓楽街の 翳 を宿して、流れるか流れないかの速度で西へ動いていく道頓堀川の水
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(道頓堀川)あぶくこそ 湧くことはないが、ほとんど流れのない、粘りつくような光沢を放つ腐った運河なのであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
川はその向うに、一条の鋼鉄の線をなして横わり、風景を切って 遽 だしく滑っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
(河の水は)石を越え、迂回し、後から後から忙しく現われて、流れ去っていた。それは無限に続く運動のように見えた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
(河原の)処々島のように点在した高み
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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