夜明けの表現・描写・類語

けぶったような青白い夜明けの光が部屋の中に入ってくる

暁の爽やかな薄明が東の空に星々のまどろみを消し去っていく

空が不気味な赤みを帯びて明るみ始める

おぼろな薄明が野に吸われる

曇った銀のような薄白い明るみが広がる

薄明に照らされた眠りの世界

夜でも朝でもなく、夢の続きではないが確かな現実とも思えない、夜明けの白っぽい薄明の感覚

くっきりとした朝の光がまるでテーブルクロスでも引き払うように闇を消し去るころ

空がいぶし銀のようにぼうっと明るくなる

インクのしみのような太陽がわずかばかりの薄明を地上に投げる

夜明けと呼べるだけの明るさが、窓の外にある

空はもう青みがかっている

夜明けだ、新しい空気が甘美な果汁のようにかれを蘇生させる。

バラの花びらをすかしてみるような夜あけの光

夜が更けるにつれて灯は消え始め、最後には街灯とネオンの灯だけが残った。

あけがた近くの青ぐろいうすあかり

忙しく歩く人たちの姿が見える。一日の始まり。世界が目を覚まし、世の中の歯車が回転し始める時間。

東のそらがぼうっと銀いろになって

閉じられた窓の鎧扉（ブラインド）の僅かの隙間（すきま）から暁の色が白々と流れ込んで、室（へや）の中のすべての物を、海底のように青々と透きとおらせております。

明け方の山中の空気は霧で潤み、むせかえる土と木の香りがした。自然はまさにいまの時間に深呼吸をしているんだなと感じる澄んだ空気。自分の吐いた息が霧に溶けて、植物たちの養分になっていくのが想像できる。

東（ひがし）の空（そら）はもうやさしいききょうの花（はな）びらのようにあやしい底光（そこびか）りをはじめました。

そのかすかな音（おと）が丘（おか）の上（うえ）の一本（ぽん）いちょうの木（き）に聞（き）こえるくらいすみきった明（あ）け方（がた）です。

（ききょうの花びらは朝日の底光りの比喩）東（ひがし）の空（そら）のききょうの花（はな）びらはもういつかしぼんだように力（ちから）なくなり、朝（あさ）の白光（しろびか）りがあらわれはじめました。星（ほし）が一つずつきえてゆきます。

星（ほし）がすっかりきえました。東（ひがし）の空（そら）は白（しろ）くもえているようです。

東（ひがし）の空（そら）が白（しろ）くもえ、ユラリユラリとゆれはじめました。おっかさんの木（き）はまるで死（し）んだようになってじっと立（た）っています。 　とつぜん光（ひかり）のたばが黄金（きん）の矢（や）のように一度（ど）にとんできました。子（こ）どもらはまるでとびあがるくらいかがやきました。

もう夜が明けていた。カムサツカの連峰が金紫色に輝いて、海から二、三寸位の高さで、地平線を南に長く走っていた。小波（さざなみ）が立って、その一つ一つの面が、朝日を一つ一つうけて、夜明けらしく、寒々と光っていた。――それが入り乱れて砕け、入り交れて砕ける。その度にキラキラ、と光った。鴎の啼声が（何処（どこ）にいるのか分らずに）声だけしていた。――さわやかに、寒かった。

（マユミ）マユミの赤い火が燃え移ったみたいに、あたりは少しずつ明るくなっていった。最初は薄青く染まった空気が、ついで朝焼けのオレンジに変わり、やがて透明で清浄な朝が来た。

未だほの闇（ぐら）いのに家を出る。

一番鳥（いちばんどり）が鳴きわたる時刻

あや目も知れない闇（やみ）の中から、硫黄（いおう）が丘（たけ）の山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。

その白い羽根がある瞬間には明るく、ある瞬間には暗く見えだすと、長い北国の夜もようやく明け離れて行こうとするのだ。

（朝焼け）夜の闇（やみ）は暗く濃く沖のほうに追いつめられて、東の空には黎明（れいめい）の新しい光が雲を破り始める。

叢立（むらだ）ち急ぐ嵐雲（あらしぐも）は、炉に投げ入れられた紫のような光に燃えて、山ふところの雪までも透明な藤色（ふじいろ）に染めてしまう。それにしても明け方のこの暖かい光の色に比べて、なんという寒い空の風だ。長い夜のために冷え切った地球は、今そのいちばん冷たい呼吸を呼吸しているのだ。

恐ろしいまでに荘厳（そうごん）なこの日の序幕

満天の星空の縁が、ほんのわずか白んできたように見える。そろそろ夜明けが近い。

朝が来ると、闇の魔法は解けて、私たちは黒い世界から白い世界へと引きずり戻されている。

いくら闇に紛れても、眼鏡で顔を隠しても、黒い世界は終わって、また朝がくれば白い世界に私たちは引きずり出されてしまう。暗闇に紛れていた残酷な現実が、色鮮やかに光の下で晒されてしまう。

眠りの浅い夜を終えて、カーテンの向こうがだんだん光の中へ引きずられ、気が付くと白い世界の中にいる。

羅生門（らしょうもん）の夜（よ）は、まだ明けない。下から見ると、つめたく露を置いた甍（いらか）や、丹塗（にぬ）りのはげた欄干に、傾きかかった月の光が、いざよいながら、残っている。