そばの味、おいしさを伝える表現・描写

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そばの味、おいしさを伝える表現・描写
「この長い奴へツユ三分一さんぶいちつけて、一口に飲んでしまうんだね。んじゃいけない。噛んじゃ蕎麦の味がなくなる。つるつると咽喉のどすべり込むところがねうちだよ」と思い切ってはしを高く上げると蕎麦はようやくの事で地を離れた。左手ゆんでに受ける茶碗の中へ、箸を少しずつ落して、尻尾の先からだんだんにひたすと、アーキミジスの理論によって、蕎麦のつかった分量だけツユかさが増してくる。ところが茶碗の中には元からツユが八分目這入はいっているから、迷亭の箸にかかった蕎麦の四半分しはんぶんつからない先に茶碗はツユで一杯になってしまった。迷亭の箸は茶碗をる五寸の上に至ってぴたりと留まったきりしばらく動かない。動かないのも無理はない。少しでもおろせばツユこぼれるばかりである。迷亭もここに至って少し蹰躇ちゅうちょていであったが、たちまち脱兎だっとの勢を以て、口を箸の方へ持って行ったなと思うもなく、つるつるちゅうと音がして咽喉笛のどぶえが一二度上下じょうげへ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。
夏目漱石 / 吾輩は猫である 青空文庫
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