日本語表現インフォ > 感覚表現 > 雰囲気・空気 > 雰囲気が悪い・重苦しい空気
雰囲気が悪い・重苦しい空気の表現・描写・類語
(三人で食事中、口論のあと沈黙して)「鱸(すずき)、けっこううまかったですよ」と僕は言ってみたが誰も返事をしなかった。まるで深い竪穴に小石を投げ込んだみたいだった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
あたりの空気が重みをもっていて、四方から圧し縮まってくるような息苦しさ
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
娘の気持ちが暗くなると、家の中には雨洩りがするときに似た陰湿なものが漂い始める
有吉 佐和子 / 三婆 amazon
宇宙がこの部屋ひとつになったような緊張が、部屋いっぱいに、はりつめる
坂口 安吾 / 散る日本 amazon
乾いた空気に扇を一振りしたような笑いが紛れ込む
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
緊張が森の樹々のようにびっしりたちこめる
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
家の空気が鉛のように重苦しい
内田 春菊 / ファザーファッカー amazon
空気が濃く重くドロリと液体化して、生温かい糊のようにねばねばと皮膚にまといつく
中島 敦 / 環礁 ——ミクロネシヤ巡島記抄—— amazon
街が暴挙一歩手前のような騒々しさと緊張感で満ちる
泉 優二 / ブラインドコーナー amazon
とても空気が重い。まるで鉛の箱に押し込められて海の底に沈んでいくような気がするの。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
彼が現われると有毒なガスのように暗鬱な空気が収容所に隈なく瀰漫(びまん)していった。
平林 たい子 / 大草原「日本の文学〈第48〉平林たい子,大原富枝 (1969年)地底の歌・秘密・桜・他 婉という女・大草原・他」に収録 amazon
この田舎びた大きな家の中には、先祖の霊の歩きまわる足音が絶えず聞えてくるとでもいうような憂鬱な空気が重くとざしていた。
石川 達三 / 三代の矜持 (1961年) amazon
班内は全く陰うつで残忍な洞窟のようなところとなった。
野間 宏 / 真空地帯 amazon
家庭が枯れた畑のように感じられた。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
あと 41 個の表現が登録されています
ログインして全部見る
ログインして全部見る
同じカテゴリの表現一覧
雰囲気・空気 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ