ロマネスクの半円祠堂 があって、一本一本の円柱は六月の陽 を受けて鮮 かに紫薔薇色 の陰 をくっきりつけ、その一本一本の間から高い蒼空 を透 かしていた。白雲が遥 か下界のこの円柱を桁 にして、ゆったり空を渡 るのが見えた。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
日差し・太陽光
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......て彼の頑 になったこころを一層枯燥 させる反対の働きを受けるようになった。彼は無表情の眼 を挙げて、崖の上を見た。 芝生 の端 が垂 れ下 っている崖の上の広壮な邸園 の一端 にロマネスクの半円祠堂 があって、一本一本の円柱は六月の陽 を受けて鮮 かに紫薔薇色 の陰 をくっきりつけ、その一本一本の間から高い蒼空 を透 かしていた。白雲が遥 か下界のこの円柱を桁 にして、ゆったり空を渡 るのが見えた。 今日も半円祠堂のまんなかの腰掛 には崖邸の夫人真佐子 が豊かな身体 つきを聳 かして、日光を胸で受止めていた。膝 の上には遠目にも何か編みかけらしい糸の乱れが乗っていて......
単語の意味
蒼空(そうくう)
蒼空・・・青空。蒼天。
ここに意味を表示
日差し・太陽光の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
黎明 の薄い光が射し込む
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
晴れ・曇り の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ