外納屋に、手を入れたくらいな、茅 ら屋
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:91% 作品を確認(青空文庫)
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粗末な建物
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......に、一輪、寒椿が投げてあって細い句軸がかかっている。そして、ちょうど、女の白い襟あしの上に、仏壇の燈明、仄 かにゆれているのだった。家具らしい物はほかに何もなく、外納屋に、手を入れたくらいな、茅 ら屋 だった。 だが―― 心蓮は、額 ごしに、さっきから女の姿態に注意をとられていた。人妻ではない。処女 である。二十三か、四か。農家の女ではない。きりっと、帯の締め方に......
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灰褐色の 塵芥 のような 支那 人たちの家
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
つただらけの壁。鉄の黒くて重い門、門灯は切れっ放しで、割れたガラスの破片をじゃりじゃり踏み越えて、枯葉に埋もれた石段を登ると、玄関へたどり着く。手入れをしていない庭はジャングルと化し、猫がたくさん住んでいた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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二階建ての物件は見るからに骨董品だ。階段も手すりも各部屋のサッシも赤茶色に錆び付いている。細いヒビが毛細血管のように走る壁は汚水が染みこみ、淀んだ色に染まっていて新築当時の色彩が判別できないありさまだ。
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
昔っぽい風情の駄菓子屋が凜としたたたずまい
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
古びた寮の建物が、夜の色に包まれて暗く年取った大きな獣のように陰気くさい
佐藤 愛子 / 窓は茜色 amazon
丘つづき、空と、雑木原と、田と、畑と、雲雀(ひばり)との村は、実に小さな散文
詩であった。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
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