輪切りにしたキイウイを食べている。わたしはあの黒い種子の粒々が、小さな虫の巣のように見えて、どうしてもキイウイを好きになれない。よく熟れた今日のキイウイは、果肉が溶けかけている。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:15% 作品を確認(amazon)
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......やいている。彼女が料理に文句をつけるのはいつものことなので、わたしは聞こえないふりをする。フォークの先から、半熟の卵が黄色い血液のようにぽたぽたと落ちる。義兄は輪切りにしたキイウイを食べている。わたしはあの黒い種子の粒々が、小さな虫の巣のように見えて、どうしてもキイウイを好きになれない。よく熟れた今日のキイウイは、果肉が溶けかけている。バターケースの中で、白いバターの塊が汗をかいてしっとり潤んでいる。 二人とも、妊娠のことを話題にする気配はなかったので、わたしも口に出せなかった。庭で鳥が鳴いて......
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輪切りにしたキイウイを食べている。わたしはあの黒い種子の粒々が、小さな虫の巣のように見えて、どうしてもキイウイを好きになれない。よく熟れた今日のキイウイは、果肉が溶けかけている。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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