石油ストーブの炎の青いゆらめきだけが、ぼっと薄く 靄 のようにけぶっている
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
火が燃える・炎
ストーブ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......から決まっていたように、ふたりは無言で二階の座敷にあがった。 まち子が暗闇の中で石油ストーブを点けた。電気を消したままなので、座敷には表通りからのネオンの灯と、石油ストーブの炎の青いゆらめきだけが、ぼっと薄く靄のようにけぶっているだけだった。 室内が温まってくるまで、ふたりは黙り合って石油ストーブの炎を見ていた。「ああ、やっと温もってきた……」 まち子が声を忍ばせて言った。口紅がいつもよ......
単語の意味
煙る・烟る(けむる・けぶる)
煙る・烟る・・・霧やかすみなどで辺りがぼやける。白煙や色のある煙がもくもくと出て、辺り一面に広がる様子。
ここに意味を表示
火が燃える・炎の表現・描写・類語(火・煙・灰のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ふいごの口から、まっ赤な炎が、まるで竜の舌べらのようにふきだしていた。
小出 正吾 / 逢う魔が時「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
焔の赤い舌がべろべろと長く立つ
長塚 節 / 土 amazon
明るみの中の殊に明りの中軸になっている揺めく珊瑚の枝のような火体
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
このカテゴリを全部見る
ストーブの表現・描写・類語(家電のカテゴリ)の一覧 ランダム5
部屋は、ストーブをたくようになって壁から汗のように水分がにじみ
富岡 多恵子 / 富士山の見える家「当世凡人伝 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
ストーヴはブスブス燻 ってばかりいた。
小林多喜二 / 蟹工船
このカテゴリを全部見る
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
野火の煙が、出発する旧式の機関車が吹き出す蒸気のように、ポッポと断続して騰(あが)る
大岡 昇平 / 野火 amazon
闇の底を焦がして燃え盛る火の帯
真継 伸彦 / 鮫 amazon
「家電」カテゴリからランダム5
(修理から戻ってきたラジオ)つまみを回すと雑音の向こうから、野球中継が聞こえてきた。長い旅路の果て、ようやくたどり着いたような頼りなげな音だった
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(座布団を干す)日なたの匂いを立てながら縞目 の古りた座布団は膨れはじめた。
梶井基次郎 / 過古
レバー・スイッチを切った。まるで空気が抜けるようにピンボールの電気が消え、完全な沈黙と眠りがあたりを被った。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
火・煙・灰 の表現の一覧
家電 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ