「マヤか」と柿村は言った。後に続く言葉を待ったが、彼はそれきり何も言わなかった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置：70% 作品を確認（amazon）
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黙る・沈黙
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......バイトしてます」と答えると、違う、と柿村は呆れたように笑った。「そんなことくらい、知っている。きみの名前を聞いてるんだよ」 わたしは笑い返しながら名前を教えた。「マヤか」と柿村は言った。後に続く言葉を待ったが、彼はそれきり何も言わなかった。 冷酒が運ばれてきて、わたしたちは乾杯のまねごとをした。他に客は、静かに飲んでいる中年の男の二人連れがいるだけだった。 柿村のなじみの店らしかった。彼はカウンタ......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語（声・口調のカテゴリ）の一覧 ランダム５
月のように黙っている。
横光利一 / 日輪
しゃべり疲れると、二人は好きなだけ沈黙を抱えてそれを温めている。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
わたしが口を閉ざすと、彼もまた黙りこくった。沈黙が流れた。ベランダでエアコンの室外機が、ごうごうと唸っている音がよく聞こえた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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