荷車に山のように白い豆腐のおからが盛りあげて、蠅 がゴマのようにはじけている。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:99% 作品を確認(青空文庫)
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蚊・ハエ
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前後の文章を含んだ引用
......のもない。 (八月×日) 今日はさんりんぼうで、商売に出ても、大した事もないと、お母さんも義父も朝寝。みいんみいんと暑くるしく蝉が啼きたてている。前の牛小舎では、荷車に山のように白い豆腐のおからが盛りあげて、蠅 がゴマのようにはじけている。おからが食べたくなる。葱を入れて油でいったら美味いな。 家にいるのが厭なので、また、荷物を背負って一人で出掛ける。別に大した事もないけれど、何時もさんりんぼうの......
単語の意味
蠅・蝿(はえ)
蠅・蝿・・・ハエ目ハエ亜目ハエ下目に属する昆虫の総称。羽は二枚で触角は太くて短い。食べ物などにたかり、伝染病を媒介する。長い口先を使って液体などを舐める。幼虫はいわゆる「うじ」。不快なもの、五月蝿(うるさ)いものの代名詞にも使われる。
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蚊・ハエの表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
酸っぱいような蚊の唸り声
徳田 秋声 / あらくれ amazon
一匹の 蠅 が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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ばったは二本の脚を伸ばし、日の光を羽根一ぱいに負いながら、何匹も飛び出した。
梶井基次郎 / 城のある町にて
こんなにふしぎな蝶を見たことはなかった。 弓弦 のように引きしぼった大きな羽も、ゆたかに柔らかく 膨らんだその腹部も全身、銀色なのである。ただ二本の触覚だけが絹糸のように白かった。それはなぜか、ぼくは若い 踊子 を──頭に白い羽毛をつけ、銀粉を全身にぬって片脚をかるく上げて、今、空中に飛び上ろうとする美しい踊子を想わせた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
漆のような真黒な羽のひらひらする、繊(ほそ)く青い、たしか河原蜻蛉(かわらとんぼ)とも言った
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
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