東京ではもう桜も木蓮も散り、楓が若葉を拡げはじめていた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
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晩春・初夏
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前後の文章を含んだ引用
......者達の、大きく重なり合った影法師が板敷を這い、板戸の上で揺れながら延びたり縮んだりする。生活全体が、その仏壇のように古風な伝統にみちていた。 彼女達が帰った時、東京ではもう桜も木蓮も散り、楓が若葉を拡げはじめていた。 伸子は、ある日、片手で着物の裾をつまみながら、如露 で部屋の前に水撒きをしていた。 天気つづきの上、彼女の部屋のまわりは、建増しの時地肌を荒されたので、乾きよう......
単語の意味
若葉(わかば)
若葉・・・芽を出したばかりの葉。とくに、初夏の木々のみずみずしい葉。新葉(しんば)。
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晩春・初夏の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
六月半ばだというのに暑い日が続いていた。夏の日のような青嵐が街路樹の枝を揺らし、白いシャツの胸元をはためかせた。秋から冬にかけて曇天しか見せない空もいまは力強く晴れ渡り、直線の陽射しを舗道やビルに注いでいる。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
青葉の色も目にしみる初夏のころ
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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「春」カテゴリからランダム5
風が強く、春の日差しの中で 砂塵 が舞っていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「夏」カテゴリからランダム5
田んぼの蛍は、このあいだよりも数が増えていた。空の星が落ちてそのまま光る虫になったんだと言われても、そのときの俺は信じただろう。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
夏が最後の生命を振り絞っているような暑い日が続く
谷村志穂 / ハウス amazon
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