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僕はソファーの上で目を覚ました。灯りは消え、部屋は濃い夕闇に覆われていた。体の芯から指先までがしびれていた。皮膚をとおしてインク色の夕闇が体にしみこんでいるような気がする。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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夕闇
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前後の文章を含んだ引用
......から煙草を消し、毛布を首までひっぱりあげて目を閉じた。眠り込むまでにほんの数秒しかかからなかった。5 彼女は山を去る。そしておそう空腹感 時計が六時を打った時、僕はソファーの上で目を覚ました。灯りは消え、部屋は濃い夕闇に覆われていた。体の芯から指先までがしびれていた。皮膚をとおしてインク色の夕闇が体にしみこんでいるような気がする。 雨はもうやんでしまったらしく、ガラス越しに夜の鳥の声が聞こえた。石油ストーブの炎だけが部屋の白い壁に奇妙に間のびした淡い影を作り出していた。僕はソファーから立......
単語の意味
夕闇(ゆうやみ)
体(からだ)
指先(ゆびさき)
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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夕闇の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
淡い藍色の闇が水で溶いたインクのように山の斜面を覆っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
灰色に浮かびあがるぞっとするような女の顔があった
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
闇は静かにその濃さを増して、影の輪郭さえも覆い隠そうとしていた。電車の揺れる音、子供の叫ぶ声、タイヤが砂利を噛む音、サイレンの単調な響き、すべての音が絡み合って闇の中に沈澱している。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
すでに日は落ち、闇が海と山との境を消している。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
庭にうすい墨がかかってきた。松も 楓 も五輪も、もうどっちでもよかった。
向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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暗い西の空から大空の高い天頂にかけてかすかに光のさまようているような最後の暮の色
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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