掃き浄めた朝の座敷で幽寂閑雅な気分に浸る。
岡本かの子 / 東海道五十三次 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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室内(空間)が静か
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前後の文章を含んだ引用
......育てて来た父には生甲斐 として考証詮索の楽しみ以外には無いように見えたが、やはり寂しいらしかった。だが、情愛の発露の道を知らない昔人はどうにも仕方なかったらしい。掃き浄めた朝の座敷で幽寂閑雅な気分に浸る。それが唯一の自分の心を開く道で、この機会に於てのみ娘に対しても素直な愛情を示す微笑も洩 らせた。私は物ごころついてから父を憐れなものに思い出して来て、出来るだけ灰......
単語の意味
閑雅(かんが)
閑雅・・・閑(しず[=静])かで雅(みやび[=上品で美しい])なさま。落ち着いていて、心惹かれる特徴や雰囲気を持っているさま。「閑」は訓読みで「しず(か)」と読める。
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室内(空間)が静かの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
扉の向こうから子供たちの寝息が聞こえてきそうなくらい、静かだった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
サナトリウム全体は死んだようにひっそりとしていた。
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
部屋の中はどこまでもしんとしていた。耳を澄ませると、その静寂にはいくつかの意味あいが含まれているように天吾には感じられた。ただ物音ひとつしないというだけではない。沈黙自体が自らについて何かを語っているようだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
箱の中から取り出し卓袱台の上へ置くと、その果物(メロン)はぼってりとした音を立て、室内の静けさを際立たせた
原田宗典 / メロンを買いに「しょうがない人」に収録 amazon
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歌が終わった。《…略…》静けさがやって来た。 おそろしいほどの静けさで、それはさせ子の歌が消えた外側だけの世界ではなく、自分の内側も、からっぼかと思うくらいに静かになっているのを知った。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
母親がわが子を抱えるようなあたたかい伴奏
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
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