家じゅうひどくしんとしている。彼女はちょっと耳をそばだてて見た。自分の部屋だけ残して、周囲が消え失せたような静けさだ。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
室内(空間)が静か
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ないのがよくわかった。伸子は悲しかった。自分が佃でも、憎らしく感じるだろう――これは切ないことであった。 ある宵、伸子は暫く自分の部屋に入っていた。気がつくと、家じゅうひどくしんとしている。彼女はちょっと耳をそばだてて見た。自分の部屋だけ残して、周囲が消え失せたような静けさだ。伸子は、不安に襲われた。体で椅子を押しのけ、立って隣りの唐紙をあけた。スタンドが灯っていた。寝台 の蒲団は、内に横わっている人間の体なりにもり上っている。何の変り......
単語の意味
欹てる・側てる(そばだてる)
欹てる・側てる・・・1.一方の端を高さを上げる。そびえたたせる。
2.目や耳などを、一つの方向に神経を集中させる。
2.目や耳などを、一つの方向に神経を集中させる。
ここに意味を表示
室内(空間)が静かの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
朝の誰もいない広々とした食堂の中は恐ろしく深閑としていて
林芙美子 / 新版 放浪記
しんとした部屋で波と風の音を聞いていると、孤独を痛いように覚える
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
テレビの音声がはっきり聞き取れるほど静か
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
石臼をひくように遠くから起って来た雷
火野 葦平 / 糞尿譚 (1948年) amazon
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ