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最初は茫漠とした幻想のかたまりのようなものが雲の如く脳裡に湧き、何かしらものを書かずにはいられなくなる。
谷崎潤一郎 / 雪後庵夜話 作品を確認(amazon)
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単語の意味
茫漠(ぼうぼく)
茫漠・・・ただ広いだけで無駄な感じ。ぼやけていて不明瞭な感じ。「茫」は「果てしなく広いさま」「ぼんやりしたさま」をあらわす字。
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懐かしい映画のようにリアルな空想
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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(数学の難問を解いている)今度の問題がいかに手強いかは、博士の様子を見れば私にも察しがついた。考える状態の密度が、飽和点にまで達したかのようだった。一度書斎に入ると、どんな微かな気配も伝わってこず、あまりにも深く考えすぎて身体が溶けてしまったのではないかと、不安になるほどだった。かと思うと、突然、紙の上を滑る鉛筆の音が、静寂の中から伝わってくることもあった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
七彩(なないろ)に変わる石鹼玉(しゃぼんだま)の色のように、倏忽(しゅくこつ)に気持ちが変わる
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
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