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その名前にもはっきり聞き覚えがある。しかし記憶はなぜかひどく漠然としてとりとめがなかった。彼が手で探りとれるのは、事実らしきもののいくつかのあやふやな断片だけだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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記憶を歳月という風雪が埋めつくす
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
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隆一はこのときの荒井幸夫の言葉つきをはっきり彼の耳の内で再現することができた。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
次第次第に夜が明けるように蘇 りはじめた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
(記憶障害)三十年前に自分が見つけた定理は覚えていても、昨日食べた夕食のメニューは覚えておりません。簡潔に申せば、頭の中に八十分のビデオテープが一本しかセットできない状態です。そこに重ね録りしてゆくと、以前の記憶はどんどん消えてゆきます。義弟の記憶は八十分しかもちません。きっちり、一時間と二十分です
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
ついさっきまで洗いながら考えていたことが、シャボンの泡が音もなく割れたみたいに、どうしても思い出せなくなる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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