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もう元いた場所に戻ることは許されない片道切符
朝井 リョウ / 破りたかったもののすべて「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......れいだと思った。あの絵は、それさえ持っていれば世界中のどこにだって行ける、世界でたった一枚の切符みたいに見えた。「遥にもその絵、見てほしい」 でもそれは同時に、もう元いた場所に戻ることは許されない片道切符でもある。「画家はって、兄貴、画家じゃないじゃん。学生じゃん」 やっぱり今日練習してくるから、と、私がその場から立ち去ろうとすると、兄貴は「そうか」と返事をして......
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もう元いた場所に戻ることは許されない片道切符
朝井 リョウ / 破りたかったもののすべて「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(電車の切符)それは彼の掌にさえすっぽりと収まるほどの小さな紙片にすぎなかったが、かっちりとした手触りといい、表裏を埋め尽くす暗号めいた文字と数字と記号の組み合わせといい、作戦遂行部隊だけが持てる許可証に相応しい風格を備えていた。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
色画用紙に黒で印字されただけのチケット
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
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ぼやぼや幽霊みたいな(写真)
宮本百合子 / 伸子
腰掛けは得たいが知れない程ブクブクして柔かである。
林芙美子 / 新版 放浪記
(天眼鏡でのぞくと、)面白いのは、綿ごみである。 羽織っていた女房の茶羽織の 袂 が、半分ひっくり返っていたのを直したときにつまみ上げ、食卓の上にのせて、 仔細 に眺めた。 袂の丸みそっくりの、薄くやわらかいフェルトに見えるが、天眼鏡でのぞくと、さまざまな色の繊維の寄り集りである。 どこからどうして入ったのか、何本かの毛髪らしいものが、一粒の仁丹と、一本の赤い絹糸をからめて半月型を形づくっている。 持ち上げるとこわれそうなねずみ色のそれは、間違って咲いたなにかの花のように見える。 楠は「ウドンゲ」の花というのは、こういうのではないかと思った。 印度 あたりの想像上の花で、たしか三千年に一度咲くという。吉兆とも、凶兆ともいわれている。 ねずみ色の、雲のような、鳥の巣のようなものは花弁である。銀色の小粒と赤い絹糸は、 雄蕊 と 雌蕊 に違いない。
向田邦子 / 耳「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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