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その詳細を思い出すことができない。ものごとの前後が入り乱れている。無理に思い出そうとすると、身体全体を強くねじられるような感覚があった。まるで上半身と下半身がそれぞれ逆の方向に曲げられているみたいだ。頭の芯が鈍く疼(うず)き、まわりの空気が急速に希薄になっていった。水の中にいる時のように音がくぐもった。今にもあの「発作」が襲ってきそうだ。
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
発作
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単語の意味
気が急く(きがせく)
くぐもる
下半身(かはんしん・しもはんしん)
上半身(じょうはんしん・かみはんしん)
身体(しんたい)
気が急く・・・早くしようと気持ちがあせる。
くぐもる・・・声がこもる。声が物の影から出てきたようにハッキリしない。
下半身・・・体の、腰から下の部分。⇔上半身(じょうはんしん・かみはんしん)。
上半身・・・体の、腰から上の部分。上体(じょうたい)。⇔下半身(かはんしん・しもはんしん)。
身体・・・人のからだ。肉体。
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理由も経緯も思い出せないし、歩きながら見た光景の断片と、歩きながら考えていたことのその内容も全部忘れてしまったが、輪郭というか抜け殻のようなものは残っている。
滝口 悠生 / 死んでいない者 amazon
(脳が記憶に)すっぽりと黒い布をかけ、私の目に触れないように、記憶に残らないようにしてしまっているのかもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
(言いたいことを忘れる)自分がどんな文脈で話をしようとしていたかを、一瞬見失ってしまうのだ。強い風が突然吹いて、演奏中の譜面を吹き飛ばしてしまうみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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発作の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
突然、利明の心臓が大きな音をたてた。規則的な鼓動の中に割り込んだ感じだった。息苦しさを覚え、利明は胸に手を当てた。どくん。利明の自律神経に逆らうかのように、心臓は再び身勝手な一拍を返してきた。全身が熱くなるのがわかった。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
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少女の声、その残響が、まだうっすらと鼓膜に残っている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
体の芯がなにか媾後のようにぐったり疲れて
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
小さなしずくがゆっくり落ちていくのを、気が遠くなるような気持ちで眺めていても、やはりいつかは袋が空になって、薄紅色の血液が管を逆流し始める。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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