水を両手で掬 って、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。
太宰治 / 走れメロス ページ位置:74% 作品を確認(青空文庫)
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気分転換・心機一転・リフレッシュ
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前後の文章を含んだ引用
......流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々 と、何か小さく囁 きながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で掬 って、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復 と共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も......
単語の意味
溜め息・溜息・ため息(ためいき)
溜め息・溜息・ため息・・・気苦労や失望、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな息。大息(おおいき・たいそく)。長息(ちょうそく)。
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気分転換・心機一転・リフレッシュの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(落ち込む気持ちを意識的に切り替える)彼は段々自分が、そういう気分に 惹き込まれつつある事を意識した。坂路で惰性のままに段々早くなる、それを踏み 止るような心持で、寧ろ意志的に彼は気分を惹きもどそうとした。手段として、彼は広い広い世界を想い浮べた。地球、それから、星、( 生憎 曇っていて、星は見えなかったが)宇宙、そう想い広めて行って、更にその一元子程もない自身へ想い返す。すると今まで頭一杯に拡がっていた暗い 惨めな彼だけの世界が急に 芥子粒 程のものになる。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
心が晴々 して今までの心配も苦労も何もかも忘れて、生れ変ったような心持になる。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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去勢された犬が過去の記憶に従って雌犬の尻の匂いを嗅ぐみたいに、(過去の栄光を引きずる)
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
(酔った声)酔いのせいで、いっそう潤んだ弦の音色が声に滲む。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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