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余計なことは考えないようにしようと牛河は思った。皮膚を厚くし、心の殻を固くし、日々をひとつまたひとつと規則正しく重ねていくのだ。俺はただの機械に過ぎない。有能で我慢強く無感覚な機械だ。一方の口から新しい時間を吸い込み、それを古い時間に換えてもう一方の口から吐き出す。存在すること、それ自体がその機械の存在事由なのだ。もう一度そのような混じりけのない純粋なサイクル――いつか終わりを迎えるであろう永久運動――に復帰しなくてはならない。彼は意志を堅くし、心の蓋を閉ざすことで、ふかえりのイメージを脳裏から追い払おうとした。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 作品を確認(amazon)
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誤った考えを払いのける・頭から振り払う
心を閉ざす・気持ちを開かない
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単語の意味
自体(じたい)
脳裏・脳裡(のうり)
永久(えいきゅう・とわ・とこしえ)
自体・・・1.自分のからだ。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
脳裏・脳裡・・・頭の中。心の中。 「裏・裡(うら)」は、「内部」「内側」を意味する。
永久・・・いつまでも変わらず続くこと。永く久しい(=時間が経過している)こと。
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胸へこみあげてくる毒々しい妄念を否定するように、烈しく首を振っては酒を呷(あお)る
山本 周五郎 / やぶからし amazon
(いやな記憶が)まぶたの裏に 甦ってきた。その影像を追い払うように、彼は壁に頭を打ちつづけた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
ちらついてくる杉山の 痩せて 尖った頬や肩の輪郭を心の中から消し去ろうと努めた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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「わたしがピアノのために犠牲にしてきたのは いろんなこと なんかじゃない。 あらゆること よ。わたしの成長過程に含まれたことのすべて。ピアノはわたしに、わたしの肉や血をまるごと、 供物 として要求していたし、それに対してわたしはノーと言うことはできなかった。ただの一度も」
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
目に飛び込んできた群衆に重なるようにして、見たわけでもない映像が次々に脳裏に浮かび上がってきた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
空想が象のようにふくらんで来る。象が水ぶくれになってよたよたと這 いまわって来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「ボス」の前だからだろう、悠木が入室した瞬間こそ怪訝な表情を見せたが、日ごろの癇癪玉が噓のような和やかな顔だ。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
黒い陰が、事件の根にあるものを日蝕のように覆っている
勝目 梓 / 日蝕の街 amazon
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