いつか帰って、君に会おう。そう思うと次の日までやりすごせた。どんどん、君の比重が大きくなってきた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:81% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......を見ながら突如気が狂うほどさみしくなる度に、君しか思い浮かべられなかった。それが俺の旅を続けることのできる最後の秘密だった。だんだんそのことがはっきりしてきた。いつか帰って、君に会おう。そう思うと次の日までやりすごせた。どんどん、君の比重が大きくなってきた。この間、ああいうことになってからなおさら、恋になってきた。」「頭を打つ前から好きだった?」 私はたずねた。自分でも案外気にしているのが、こういうときわかる。「頭......
ここに意味を表示
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
邦彦の中では、まち子の小さいけれどぽってりとした唇と、娘のような純情が、日ごとに大きく膨らんできていた。ときおり店に来る端正な容姿の若い娘や、大学のキャンパスですれちがう華やいだ女子大生たちは、まち子と比べると、みなどこかつんと 尖った透明な棒のように思えた。それとまったく異質の、思わず苦笑を誘うほどに愚かな、温かい柔らかいものを、邦彦はまち子の全身から感じ取っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
いつものように水島のことを考えはじめる。すぐに一種の忘我状態に陥って、水島のこと以外は何ひとつ考えるべきことを思いつけなくなる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
彼はその人に 惹きつけられた。普段何気なく美しい人を見る時とは、もっと深い何かで惹きつけられ、彼の胸は波立った。それはそれ程にその人が美しかったと云うのとも 異う。彼は自分ながら 初心者 らしい心持になって、もうその方を見られなかった。そして少し息苦しいような幸福感に捕えられながらその前を通り過ぎた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
何もかも振り捨てて私は生れて初めて恋らしい恋をしたのだわ。
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
結婚は、蚕が成長して繭をくいやぶるように人間にとって自然なものであります
網野菊 / 風呂敷
私たちは、ゆっくりと、お互いの体温の中に落ちていった。《…略…》私たちの欲望が、音楽になって互いの身体に流れ込む。 伊吹に発情を奏でる私《…略…》身体の中にあった、言語化できなかった感情たちが、液体になって、伊吹にしみこんでいった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ