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そのような自分に、所謂「親友」など出来る筈は無く、そのうえ自分には、「訪問 」の能力さえ無かったのです。他人の家の門は、自分にとって、あの神曲の地獄の門以上に薄気味わるく、その門の奥には、おそろしい竜みたいな生臭い奇獣がうごめいている気配を、誇張でなしに、実感せられていたのです。
太宰治 / 人間失格 ページ位置:59% 作品を確認(青空文庫)
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対人恐怖・コミュニケーション障害
門・扉・窓・戸
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......愛する能力に於 いては欠けているところがあるようでした。(もっとも、自分は、世の中の人間にだって、果して、「愛」の能力があるのかどうか、たいへん疑問に思っています)そのような自分に、所謂「親友」など出来る筈は無く、そのうえ自分には、「訪問 」の能力さえ無かったのです。他人の家の門は、自分にとって、あの神曲の地獄の門以上に薄気味わるく、その門の奥には、おそろしい竜みたいな生臭い奇獣がうごめいている気配を、誇張でなしに、実感せられていたのです。 誰とも、附き合いが無い。どこへも、訪ねて行けない。 堀木。 それこそ、冗談から駒が出た形でした。あの置手紙に、書いたとおりに、自分は浅草の堀木をたずねて......
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大きな心でいたわりあってくれるものと云えば、もう犬ぐらいのものです。
林芙美子 / 新版 放浪記
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わが家の黒門は、固くしまって扉に打った鉄鋲(てつびょう)が魔物のように睨んでいた。
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(回転ドア)クルリクルリ、まるで水車のようだ。
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