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(朦朧とした意識が聞く)「田村じゃないか」  声は遠く、壁の向うの声のように耳に届いた。届くより先、私は彼の口が動き、汚れた 乱杭歯 を現わすのを、見知らぬ動物の動作でも見るような無関心で、見ていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
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小さな音・不鮮明な音 ぼんやり・朦朧・ボーっとする
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前後の文章を含んだ引用
......色い頬、その下に勝手な方向に垂れた髯、眠たげに眼球を蔽った瞼は、私がこれまでに見た、どんな人間にも似ていなかった。 その人間が口を利いた。しかも私の名を呼んだ。「田村じゃないか」 声は遠く、壁の向うの声のように耳に届いた。届くより先、私は彼の口が動き、汚れた乱杭歯を現わすのを、見知らぬ動物の動作でも見るような無関心で、見ていた。「田村じゃないのか」とその口は重ねていった。 私は見凝めた。見凝めると、却って霞んで行くその顔貌を、私は記憶を素速く辿った。いや、私はこの老人を知らなかった。彼......
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乱杭歯(らんぐいば)
乱杭歯・・・不ぞろいに打ち込んだ杭(くい)のように、ひどく歯並びの悪い歯。歯が横に並ばず、重なって生えている状態。
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耳から少しでも意識をそらすと消えてしまいそうな、慎ましい音だった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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(電話に小布団を敷くと)ベルは、あきらかに丸くあたたかい音に変った。
向田邦子 / 花の名前「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
破裂しそうな教室を、ぼんやりと騒がしさの外から見つめていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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