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クッションというなら全部クッションだ。 羽根布団はねぶとんというなら全部羽根布団だ。 だが、水の中は、けて自由な もっといいもの――愛。 ねて破れず、爪いて 掻きむしらりょうか――愛。 それで海豚イルカは眼を細めている。 一生、陸に上らぬ。  これは希臘ギリシア擬古狂詩ぎこきょうしの断片をざっと飜訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の敬蔵けいぞう老荘ろうそうの思想から採って、「渾沌未分の境涯きょうがい」だといつも小初に説明していた。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:24% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......親友、女流文学者豊村女史にある時、小初は水中の世界の荒唐無稽こうとうむけいな歓びを、切れ切れの体験的な言葉で語った。すると友達はその感情に関係ある的確な文学的表現を紹介しょうかいした。
クッションというなら全部クッションだ。 羽根布団はねぶとんというなら全部羽根布団だ。 だが、水の中は、けて自由な もっといいもの――愛。 ねて破れず、爪いて 掻きむしらりょうか――愛。 それで海豚イルカは眼を細めている。 一生、陸に上らぬ。
 これは希臘ギリシア擬古狂詩ぎこきょうしの断片をざっと飜訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の敬蔵けいぞう老荘ろうそうの思想から採って、「渾沌未分の境涯きょうがい」だといつも小初に説明していた。  まぶたに水の衝動しょうどうが少くなると小初は水中で眼を開いた。こどもの時分から一人娘を水泳の天才少女に仕立てるつもりの父親敬蔵は、かなり厳しいしつけ方をした。水を張った大桶おおおけの......
単語の意味
混沌・渾沌(こんとん)
海豚(いるか)
混沌・渾沌・・・ぐちゃぐちゃに入り混じっていて、それぞれの区別がつかない状態。物事が混じり合って、区別の無い世界。カオス。
海豚・・・歯クジラ類のうちの小形種の総称。体長1~5メ-トル。両顎に歯があり、体形は紡錘(ぼうすい)状で頭部は長く延びる。背びれはふつう鎌形で大きい。意思疎通に音波を用いて群をなして遊泳。知能が高くて人に馴れやすい。しばしば船舶に平行して走る。
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(日の光を受けて)とんろりと油を張ったように静かな入江
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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