太刀音と矢たけびとが、天をおおう蝗 の羽音のように、築土 にせかれた小路 の中で、とめどもなくわき返った。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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騒がしい・ざわめき
合戦・乱闘
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前後の文章を含んだ引用
......ほとばしる火花のように、時々心にひらめいた。が、ひらめいたと思ううちに、刻々迫ってくる生死の危急が、たちまちそれをかき消してしまう。そうして、そのあとにはまた、太刀音と矢たけびとが、天をおおう蝗 の羽音のように、築土 にせかれた小路 の中で、とめどもなくわき返った。――次郎は、こういう勢いに促されて、いつか二人の侍と三頭の犬とに追われながら、小路を南へ少しずつ切り立てられて来たのである。 が、相手の一人を殺し、一人を追いは......
単語の意味
蝗・稲子・螽(いなご)
蝗・稲子・螽・・・バッタ科イナゴ属の昆虫の総称。田んぼや畑などに住む昆虫。体は緑や茶色。鳴かない。群れで行動し稲の害虫。名前は「稲の葉をにつく虫」に由来。
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騒がしい・ざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
雑然たる声が波のごとく沈んでまた起こる
長塚 節 / 土 amazon
期待と緊張感が低い唸りのようなざわめきとなって会場全体をおしつつむ
三田 誠広 / 僕って何 amazon
つむじ風に襲われたように一座がざわめく
本庄 陸男 / 石狩川 amazon
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その葉がチラチラ光ってゆすれ互いにぶっつかり合って微妙な音をたてるのでした。
宮沢賢治 / ひかりの素足
胸の中をふきぬけるような風の音
梅崎 春生 / 桜島 amazon
「対立・敵対」カテゴリからランダム5
顔つきを一変させて、慌てて背後を振り返りかけた。家族に助けを求めようとする仕草のように、庄司には見えた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
老練な魚釣りのように、私を危険な場所の方に、安心させて追いこんで行く。
島尾 敏雄 / 死の棘 amazon
戦争というものは、人間の生命をまったくごみのように無視して成立する
福永 武彦 / 草の花 amazon
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