熱気が驟雨のしぶきのように歩いてゆく腰のまわりにもうもうと立ちこめる

（都会の夜空）都市の世俗的な明かりが、いつものように星の姿をかき消していた。空はきれいに晴れていたが、いくつかのとくべつに明るい星が、ところどころに淡く散見できるだけだ。しかしそれでも月だけはくっきりと見えた。月は照明にも騒音にも汚染された空気にも苦情ひとつ言わず、律儀にそこに浮かんでいた。目をこらせば、その巨大なクレーターや谷間が作り出す、奇妙な影を認めることもできた。

空を見ると、氷柱（つらら）の枝に星があった

星が降ってくるような、圧巻の夜空

星なのか飛行機なのかわからない小さな光が夜空に散らばっている。

木々は濡（ぬ）れ傘（がさ）のように重く搾（すぼ）まって、白い雫（しずく）をふしだらに垂らしていた。

梅雨入りしたもののすぐに中休みとなり、今日は昼前からいい天気になった。

だんだん白い雲の 薄れて行く、そして 青磁色 の空の 拡がるのを 眺めている

暁光 が川筋から湿気をあぶり出している。

　草からはしずくがきらきら落ち、すべての葉も茎も花も、ことしの終わりの日の光を吸っています。 　はるかな西の碧（あお）い野原は、今泣きやんだようにまぶしく笑い、向こうの栗（くり）の木は青い後光を放ちました。

見晴らしはどこへ行っても、大きな屋根の影絵があり、夕焼空に澄んだ梢（こずえ）があった。そのたび、遠い地平へ落ちてゆく太陽の隠された姿が切ない彼の心に写った。

雨あがりの夕暮れは格別だった。

夜中の三時で、外の風はひんやりとつめたく、コートを着ていてちょうどよかった。

夕方の町を歩いて行った。月はまだ低く、澄んだ 群青 の空に輝いていた。西空にまだかすかに、あまい赤が残っていた。

遠いところから落日が見える 地の上は紙一重の夜の前ぶれ

夕立ちが過ぎ去ると、あとには水浸しになった道路が残った。太陽が戻ってきて、その水を全力で蒸発させ、都市はかげろうのような蒸気に覆われた。

日ざしに暖められて立ちのぼる陽炎

彼が眼醒（めざ）めたときは、耶馬台（やまと）の宮は、朝日を含んだ金色（こんじき）の霧の底に沈んでいた。

軽金属のような朝陽が林や畑のうえに輝いていた。

朝日が昇り、砂漠は蜂蜜色に輝き始める。