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(あふれてくる恋人の記憶を振り払う。恋人の)無数の言葉、無数の顔が十和子のなかで隙間もなくひしめき合い、ついにはいっそ全部消えてほしいと願うほどに収拾がつかなくなっていく。自分でも驚いたことに思わず両手を上げて、実際に群がりよる羽虫を追い散らすように何度か大きく振り回してしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
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誤った考えを払いのける・頭から振り払う
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......てわけか〉〈クソッ、嫌な予感がしてたんだ〉〈ようやく離婚届に押印してくれそうなんだ〉〈万年係長は確実だな〉〈タマリスクの咲く季節に行こう。僕らのハネムーンだ〉。無数の言葉、無数の顔が十和子のなかで隙間もなくひしめき合い、ついにはいっそ全部消えてほしいと願うほどに収拾がつかなくなっていく。自分でも驚いたことに思わず両手を上げて、実際に群がりよる羽虫を追い散らすように何度か大きく振り回してしまう。そのまま耳のあたりを押さえて歯を食いしばり、あの最初の日に、中丸屋からまいりました、と涼しげな笑みを湛えてドア口に立った水島の、まっさらな姿だけに意識を集中しよ......
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誤った考えを払いのける・頭から振り払うの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
胸へこみあげてくる毒々しい妄念を否定するように、烈しく首を振っては酒を呷(あお)る
山本 周五郎 / やぶからし amazon
記憶にかかった靄を追い払うように頭を振る
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
悠木は思考を投げ出して風呂を出た。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
(いやな記憶が)まぶたの裏に 甦ってきた。その影像を追い払うように、彼は壁に頭を打ちつづけた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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簡単に言葉にするとそういうことなのだけれど、そのイメージは固まりとして胸に入ってきたのだ。この世にはない言葉を使って描かれた小説を読んだみたいだった。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
病理学研究所と図書館との間に木造の病棟が幾列も並んでいる。消毒所の煙突から灰色の煙がたちのぼっていた。患者は何百人いるのだろう。看護婦や職員はどの位いるのだろうと彼は考えた。この建物と建物との間を自分には理解できぬ歯車がまわっているような気がする。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
考えちゃだめなんだ。極端な話、走るとか、泳ぐとか、そういうのでもいいくらいだ。今したいことにためらいなく足が動くように調整しとかないと、頭の筋肉が熱を持って、オーバーヒートしちゃう。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春がほほえめよかし‥‥僕はただそう心から祈る。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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