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(行きつけの古びたバーは)すいているのも魅力だった。テーブルもいすもバラバラでいろんな種類があり、そのどれもがもはや古びて妙な趣をかもし出していた。昔の中学校の教室のように油臭い木の床、茶を基調にした古臭いインテリア、思いきり寄りかかるときしんでしまいそうなカウンター。人が大勢いる時と、そのように静かな時とではまるで違う顔を見せる店というものの不思議を、私はぼんやりと見つめていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
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閑散・人気(ひとけ)がない
バー
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前後の文章を含んだ引用
......た。 何と言ってもまず照明が暗いのでとても落ち着いた。手元が見えないくらいだった。店中がいつも、もう夕方なのにわざと明かりをつけずに待っているような様子だった。すいているのも魅力だった。テーブルもいすもバラバラでいろんな種類があり、そのどれもがもはや古びて妙な趣をかもし出していた。昔の中学校の教室のように油臭い木の床、茶を基調にした古臭いインテリア、思いきり寄りかかるときしんでしまいそうなカウンター。人が大勢いる時と、そのように静かな時とではまるで違う顔を見せる店というものの不思議を、私はぼんやりと見つめていた。 すると突然ドアがバタン、と開き、「やあ。」 と言って竜一郎がすたすた入ってきた。店員は一同皆びっくりした。私はやっとのことで「いらっしゃい」と言った。「何でこ......
単語の意味
妙(みょう)
趣(おもむき)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
趣・・・しっとりと落ち着いて、心惹かれる特徴や雰囲気。そのものがもっている、自然とかもし出される(いい)雰囲気。ずいぶん昔のものなのに、手入れがされているさま。風情(ふぜい)。
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歯の抜けた痕のように、元木武夫の席が空いていた。
本庄 陸男 / 白い壁 amazon
吹き抜けの広々とした空間にちらほらとしかいない閲覧客が、館内の空気を外よりも寒々しく感じさせる。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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バーの表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
シェーカーを振るバーテンダーは大げさな動きも自意識の過剰さもなく、ただ一分の隙も見せずにシェーカーからカクテルを注ぐ姿は、彼の白シャツの鋭角な襟と同様、客に緊張感を与えて少し居心地を悪くさせていた。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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モグリかと思うくらいあじけない治療院
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
明るい南の海の色や匂いはなにか私には荒々しく粗雑であった。
梶井基次郎 / 冬の蠅
カフェ・テラスのテーブルが客で鈴なり
池田 満寿夫 / 10フランの恋人 amazon
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眼を薄く開けた姑は、明らかに死んでいた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
浮ついた印象はなく、むしろ硬質な雰囲気を漂わせている
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
綿屑のようにころがる死骸
阿部 昭 / 千年 amazon
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