砂漠を吹き過ぎる風が額に触れていく。《…略…》風は謎めいた暗示を 孕んだまま、遠いどこかからきてもっと遠いどこかへと音もなく去っていく。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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風を受ける
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前後の文章を含んだ引用
......無意識に居ずまいを正し、眉を寄せ、耳をそばだて、歯さえ食いしばって、目の前の男を出会ったばかりの人のようにじろじろと見る。話し終えた水島は薄い唇を閉じている。 砂漠を吹き過ぎる風が額に触れていく。その一瞬十和子はそれをはっきりと感じる。風は謎めいた暗示を孕んだまま、遠いどこかからきてもっと遠いどこかへと音もなく去っていく。水島に言うべきことがあるのに、どうしても言葉にならない。無理に口を開こうとすると、愛や恋や運命について、映画や小説のなかで百万遍使われて擦り切れてしまった言葉ば......
単語の意味
孕む・妊む(はらむ)
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雨気を含んだ風が吹いていて、日本髪の両鬢 を鳥のように羽ばたかして
林芙美子 / 新版 放浪記
風も、どこから来たのか、どこかものすごく遠いところか、ものすごく近いところか、わからないくらいに自分を丸ごと取り巻いているように感じられる。恐ろしい臨場感だった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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(居留守)ドアの上の電気メーターが忙しく回っているのに居留守を使う者もいますし、電灯がついているのに返事をしない豪の者もいます。
野崎 幸助「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)」に収録 amazon
遊戯的な余裕
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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