ほぼ一直線だった獣道は、ここへ来て、斜面に「つ」の字を書く形で大きくまわりこんでいた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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曲がり道・カーブ
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......が威勢よく斜面を駆けあがっていく。巌さん、三郎じいさんも、俺の横をすりぬけて足を速めた。「行こう、もう少しだ」 清一さんにうながされ、再び歩きだす。 麓の祠からほぼ一直線だった獣道は、ここへ来て、斜面に「つ」の字を書く形で大きくまわりこんでいた。まわり道の理由は、すぐにわかった。行く手を大岩がふさいでいるためだ。 さすがに最後の傾斜は厳しくて、俺は一人、列から遅れてしまった。「おーい、なにをモタモタしと......
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歩行者用信号が青になるのを待つ。車道を眺める。槿(人名)にはそれが川に思える。視界が狭くなり、光景の彩度が落ち、車道の上を、不定形の波を隆起させ、川が、右から左へとゆるゆる流れていく。歩道との境に設置されたガードレールは、その、緩やかに、たゆたう川が、道を逸れぬように、川べりから溢れぬように、と付きっ切りで見守る役割を果たしている。 川は、時に嵐に勢いを増すとはいえ、それ以外の時には、目立つとも目立たぬともいえぬ水面の揺れとせせらぎをたてる程度だ。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
牛車の通れるくらいの幅の道
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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