でも生きていれば、ハンデがあっても 旨いものを食ったり、天気のいい日にいい気分になったりできる。すくなくとも。大したことじゃないけど。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:84% 作品を確認(amazon)
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心の傷・トラウマ
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前後の文章を含んだ引用
......直る家族、だめになる家族、いろいろあって、事件の質によるのか、ひとびとの性格なのかわからない。でも子供のほうは、ハンデを背負うよね。俺は母親の悲惨な死体をみた。でも生きていれば、ハンデがあっても旨いものを食ったり、天気のいい日にいい気分になったりできる。すくなくとも。大したことじゃないけど。」「だから医者になったの?」「そうだね。それもあるね。」 死と親しいからなった。小さいうちに死に強い印象を刻み込まれて、興味を持ってしまった。匂いがしみ込んだ。......
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心の傷・トラウマの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(嫌な記憶)男は、いつも記憶の中で柔らかく彼女を包み込んだ。 しかし、時折、猫の腹に溜った毛玉のように胸やけを起させるものもあり、彼女は吐き出さなくてはならないほどだった。そういう時、彼女は、その男の隅々まで思い出し記憶の外に追いやるのだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
忘れかけると、怪鳥が羽ばたいてやって来て、記憶の傷口をその嘴 で突き破ります。たちまち過去の恥と罪の記憶が、ありありと眼前に展開せられ、わあっと叫びたいほどの恐怖で、坐っておられなくなるのです。
太宰治 / 人間失格
それはずーっといつまでも人間の心に染みついて残ります。
岡本かの子 / 河明り
思い返しても胃液がこみ上げてくるような惨めな敗北
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
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「記憶」カテゴリからランダム5
日めくりをとばすように記憶を走らせる
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
その情景は、漁夫達の胸を、眼 のあたり見ていられない凄 さで、えぐり刻んだ。
小林多喜二 / 蟹工船
死に追いつめられた一夜の恐怖を忘れることができない
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
細かな細部まで拡大鏡を通じたように明瞭に浮かび上がる
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
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