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庭を月が照していた。八つ手や梧桐 の広い葉の面が、濡れたように光った。反対の側の樹陰、枝の奥は異様に暗く、庭がいつになく迫る力を持って見えた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
庭・縁側・ベランダ
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前後の文章を含んだ引用
......いじゃないか、伸ちゃん」 伸子は、さすがに母も、いきなりは云い出せずにいるのに、好意を感じた。彼女は、 「だから、もういいことよ」 と云った。 「いいですみますか」 庭を月が照していた。八つ手や梧桐 の広い葉の面が、濡れたように光った。反対の側の樹陰、枝の奥は異様に暗く、庭がいつになく迫る力を持って見えた。膝を抱えてそれを眺めながら、伸子は母と佃との問答を、熱心に聴いた。佃は勿論断るに定っている。断るに定っている―― 「そういうのが、私どもの考えなんですがね――」 ......
単語の意味
異様(いよう)
異様・・・様子が普通とは変わっているさま。他とあまりに違っていて、変に思われるさま。
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