幌がドーッと一陣風を孕むと、俥夫は梶棒に体全体の重量をかけ、しがみついて立ちよどむ。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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我慢・辛抱・耐える
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前後の文章を含んだ引用
......田舎に着いた日、その地方は五月の嵐っぽい天候であった。俥に乗って市から村へ通じる寂しい一本道にかかると、荒い幅広い風が幾里も先の山脈からその一筋道に吹き下した。幌がドーッと一陣風を孕むと、俥夫は梶棒に体全体の重量をかけ、しがみついて立ちよどむ。そういう瞬間、伸子は夕暮の正面に一本ぼんやり白く横わる道と、黒い嵐雲の捲き立つ空が山際のところでだけ物凄く藍色に光っているのを、まじまじと見た。情熱的な暗い不安......
単語の意味
幌(ほろ)
孕む・妊む(はらむ)
幌・母衣(ほろ)
幌・・・雨はほこりなどを避けるために、車にかけるおおい。
幌・母衣・・・雨風や、光、埃などを防ぐために、馬車や人力車にかけるおおい。
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