TOP > 人物表現 > 攻撃 > 刃物で人を切る(刺す)
左側の横腹を、ボクサーがフックを打ち込むように刺す。刃先が、コートの生地を突き破り、その下のニットのセーターをこじ開ける。蝉(人名)は意識を尖らせ、集中した。刃が皮膚にめり込む感触が、柄を握った指、手の平を伝って、腕、脳に届いた。表皮を切り、血が滲み、さらに刃先が奥に入る。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
刃物で人を切る(刺す)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......イフを隠し持っていた。 大男は、大男らしからぬ敏捷さを備えてはいた。ただ、右手のナイフが囮になったせいか、動作が一瞬遅れた。狙ったのは、相手の腹だった。向かって左側の横腹を、ボクサーがフックを打ち込むように刺す。刃先が、コートの生地を突き破り、その下のニットのセーターをこじ開ける。蝉は意識を尖らせ、集中した。刃が皮膚にめり込む感触が、柄を握った指、手の平を伝って、腕、脳に届いた。表皮を切り、血が滲み、さらに刃先が奥に入る。その感触が想像できる。 大男は身体を後ろに倒し、避けていた。尻餅をつくように、地面に倒れた。響くような音が鳴る。ナイフの刃先が目的を失って、宙を裂いた。大男は仰......
単語の意味
手の平・掌(てのひら)
横腹(よこばら)
蝉・蟬(せみ)
手の平・掌・・・手首から先の、物を握ったときに内側になる面。掌(たなごころ)。
横腹・・・1.腹の横側。腹の側面。脇腹(わきばら)。横っ腹。
2.物の左右の側面。
2.物の左右の側面。
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
ここに意味を表示
刃物で人を切る(刺す)の表現・描写・類語(攻撃のカテゴリ)の一覧 ランダム5
首すじへ、二度目の十手が、その頸動脈を狙って走った
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
突如、光秀は脇腹に火のような疼痛が走るのを覚えた。光秀は自分の胴丸の横に何か突き刺さっているのを知った。
井上靖 / 幽鬼「異域の人・幽鬼」に収録 amazon
ち、ち、ち、ち……と刃と刃の先が鳴り合った。
吉川英治 / 無宿人国記
このカテゴリを全部見る
「攻撃」カテゴリからランダム5
真野の顔面に拳がめり込み、体ごと背後のテーブルに派手に吹っ飛んだ。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
仇敵でも見つけたようにその身体にとびかかった。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
キチジローが獄吏にぶたれ、木の折れるような音がひびいた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
攻撃 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ