肩に手をまわして抱き寄せてやった。《…略…》さびしくて怯えて、誰かの温もりをほしがっているのだ。松の枝にしがみついている子猫のように。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:53% 作品を確認(amazon)
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寂しい
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......ふたりは長い間そのままの格好でいた。やがてすみれは身体をこまかく震わせ始めた。泣こうとしているのだとミュウは思った。でもうまく泣けないようだった。彼女はすみれの肩に手をまわして抱き寄せてやった。まだ子供なんだ、とミュウは思った。さびしくて怯えて、誰かの温もりをほしがっているのだ。松の枝にしがみついている子猫のように。 すみれは身体を少し上の方にずらせた。彼女の鼻先がミュウの首に触れた。二人の乳房が触れ合った。ミュウは口にたまった唾液を呑み込んだ。すみれの手が彼女の背中をさま......
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泥沼に浮いた船のように、何と淋しい私達の長屋
林芙美子 / 新版 放浪記
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ちょうど朽ち腐れた土台の木に地面の 湿気 が自然に浸み込んで行くように、変な淋しさが今ジメジメと彼の心へ浸み込んで来るのをどうする事も出来なかった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
苦しみながら孤独の底を究めるだけの強さを持つ
日野 啓三 / 抱擁 amazon
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