主人がこの禿を見た時、第一彼の脳裏 に浮んだのはかの家 伝来の仏壇に幾世となく飾り付けられたる御灯明皿 である。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
ハゲ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......や時を得顔に輝いている。思わざる辺 にこの不思議な大発見をなした時の主人の眼は眩 ゆい中に充分の驚きを示して、烈しい光線で瞳孔 の開くのも構わず一心不乱に見つめている。主人がこの禿を見た時、第一彼の脳裏 に浮んだのはかの家 伝来の仏壇に幾世となく飾り付けられたる御灯明皿 である。彼の一家 は真宗で、真宗では仏壇に身分不相応な金を掛けるのが古例である。主人は幼少の時その家の倉の中に、薄暗く飾り付けられたる金箔 厚き厨子 があって、その厨子の中に......
単語の意味
脳裏・脳裡(のうり)
灯明皿・燈明皿(とうみょうざら)
御灯明皿・御燈明皿(おとうみょうざら)
脳裏・脳裡・・・頭の中。心の中。 「裏・裡(うら)」は、「内部」「内側」を意味する。
灯明皿・燈明皿・・・火をともして、部屋を明るくしたり神仏に供えるために使う皿。皿の中に油と灯心(油を浸したひも)を入れ、灯心に火をつけた。
御灯明皿・御燈明皿・・・「御」をつけて「灯明皿」を丁寧にいった言葉。
ここに意味を表示
ハゲの表現・描写・類語(頭のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「頭」カテゴリからランダム5
おやじも、今はジッと立って、鏡にうつる私の青々とした頭に、水族館の水槽の片隅に忘れられ、死にかけた夕コを眺めるような視線を投げかけている。
武田 泰淳 / 異形の者「異形の者 (1951年) (市民文庫〈第101〉)」に収録 amazon
頭のつるりとした水母 じみた入道
有島武郎 / 或る女
同じカテゴリの表現一覧
頭 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ