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部屋中の品物に順番に視線を移しながら、夕闇に目が慣れるのを待った。すべての物が眠りに落ちたように、ひそやかだった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
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室内の闇・部屋が暗い 夜のしじま(静けさ)
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前後の文章を含んだ引用
......んで降り続いていた。 先生はすぐに寝息を立てはじめた。あどけないほどに滑らかな、眠りの訪れだった。わたしは壁掛時計やクッション、マガジンラック、ペン立て、そんな部屋中の品物に順番に視線を移しながら、夕闇に目が慣れるのを待った。すべての物が眠りに落ちたように、ひそやかだった。 その静けさの中で、不意に何かが鼓膜を揺らした。蜜蜂だ、とわたしはすぐに分った。それは強くなったり弱くなったりせず、同じ波長で一直線に響いていた。辛抱強く耳の奥......
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夕闇(ゆうやみ)
視線(しせん)
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
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