(水枕)耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。《…略…》頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。
向田 邦子 / 耳「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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患者・病人・けが人
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耳 耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。 氷は疾うに解けている。 頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。 熱は下ったらしい。 今から出勤すれば午後の会議に間に合うと判っているが、楠は休むつもりでいる。一年に一日ぐらい欠勤するのも悪くない。無遅刻無欠勤は、ひと昔前なら出世の近道だったが、いまは融通の利かない上役と馬鹿にされたりする。 日向臭い水枕のゴムの匂いを嗅いでいると、五十面下げてなにかに甘ったれたいような、わざと......
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患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで月光の滴りでも落してやるかのように病人の口の中へその水の滴を落してやった。
横光 利一 / 時間 amazon
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「人の印象」カテゴリからランダム5
黒い受話器を持つ黒人の腕は、それと 繫 がっているかのように見える。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
しばらく見ないうちに青くささがすっかり消えて、なかなかの貫禄を身につけている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
香りの強さ、花粉が服につくとなかなか落ちないところ。(が百合に似た人)
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
A子もB 子もなく、個性を没却し去った泣人形の群
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
全身にチューブを差し込まれ、骨と皮だけになって、混濁した意識のなか、ただ生きているというだけの生を生きて……もうすぐ、その命も尽きる。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色 を帯びて弾力のない不活溌 な徴候をあらわしている。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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