切れのある重い一撃

腰が立たなくなるほど殴りつける

左手で胸倉をつかんだまま、右手で男の腹を殴りつけた。獲物をもてあそぶように力を加減しながら一発、二発、少し力を入れて三発目。男の体は「く」の字の形に折れ曲がり、殴られた瞬間は足が地面から浮いた。

（殴られる）目の前で大きな火花が散った。　新幹線の電気系統が故障したのだ、と最初は思った。見当外れだった。木村個人の神経の信号が瞬間的に切れ、視界が暗くなったのだ。

窒息しないのだろうか、と思ってしまうくらいの、連続した殴り方

教官は根気よくなんども殴り、頬の鳴る音が殴られてしばらくしてから風にのってきて土手にあたった

拳銃がどこからともなく現われて、目の前に銃口、耳には銃声が遅れて鳴る。

襟首を掴んで膝蹴りを何発も叩き込む

胸を蹴られた。さすがに乳房をよけて脇にちかいあたりにめり込んだ靴底が、焼けた鉄の塊のように熱かった。

野村さんは私の頭の毛をつかんで畳へ放り出した。私は死んだ真似をしていようかと思った。